一度灯った復讐心は死ぬまで消えない

乃木希生

第1話

「全裸で寝ている女性が清水公園にいるとの通報あり。最寄りの警官は至急、現場に急行せよ。」


朝からすでに気温が20度を越えているとはいえ、全裸で寝ているというのは何か事件性があるかもしれない。警察無線を聞いた婦警は、急いで公園へと急行した。


早朝だったこともあり、公園にはそこまでの人だかりは出来ていなかった。通報してくれたはずの男性の姿もなく、公園のベンチで横たわっている女性には近くのコンビニで購入されたばかりのシャツが掛けられていた。


婦警が女性に近寄ると、かなりお酒を飲んだと思われるくらいに酒臭かった。

「こんなになるまで飲むなんて、いい大人が何してるんだか。」

婦警は大きなため息をつきながら、交番から持って来た毛布を女性に纏わせると、肩を叩いて起こそうとした。


しかし、かなり酔っているのか、女性は全く起きる気配もなく、気持ちよく寝息を立てながら眠っている。時計を見ると、すでに5時を回っていた。このままにしておくと出勤し始める人たちが出てきてパニックになるかもしれないと思った婦警は、応援を呼び、とりあえず交番に女性を運びこんだ。

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