第44話 山猫団の山猫団による山猫団のための日常

 冒険者ギルドに商会の生き残りが駆け込むよりも数日前。

 件の山猫団のアジトには数人の女性達が囚われていた。


 男性陣は御者を含め、偶然生き残った1名を除き命を落としている。



 ラッキーストライク商会会頭の娘は震える事しか出来ない。


 護衛に雇われていたパーティランクBの冒険者5人は、身動きを取れないよう縛られながらも目で盗賊達を牽制していた。


 「わ、私達をどうするつもりっ。」

 一人が盗賊達を睨みながら強気に言った。


 「女を攫って縛ってアジトに連れ込んだらやる事は一つだろ。」


 女達は縛られた状態で手首と足首それぞれ1本ずつの鎖で連結されていた。


 手や足を縛っただけでは逃げ出す可能性があるからであり、こうして繋いでおけば一人だけ逃げ出す事は不可能となるからである。


 「あいつのところに連れていけ。」


 数人の男が嫌がる女達を鎖を引っ張り連れて行く。


 しばし歩くと牢の見える部屋へと辿り着く。


 「なっ。」

 「なに!?」

 「ひどいっ。」


 白濁塗れの女が一人と、産まれて数日の子供が女に抱かれ、虚ろな目をしている姿が目に入った。

 その後方にはこんもりとした土の盛り上がりがいくつも見える。


 「あ、あれは……5年前に行方不明になったライラさんじゃ……」


 どこか面影でも残っていたのだろうか、鎖に繋がれていた一人の冒険者が声を挙げる。


 「ほう、お前知ってるのかあの肉奴隷を。」


 「にっ、にくっ?」

 同じ女性を肉奴隷などと称されて気分の良い人間はいない。

 彼女の表情は一気に険しくなっていた。


 「お前達はあの肉奴隷の後釜だ。もうあいつも限界だしな、そろそろ回復させてまで延命するのには賛成の者は少ない。」

 「ちなみに後ろの土の中には肉奴隷仲間とそいつらが産んだガキたちが眠ってる。アンデットになると面倒だから一応の弔いくらいはしてやってるけどな。」


 「6人も新鮮な肉奴隷が手に入ったんだ。ガキは元気に育てはいずれ団員に加える事もある。わざわざ殺したりはしない。しかしこの環境で育つとも思えないがな。」



 


 再び先程の広間へと連れていかれる6人の女性陣。

 5人は護衛の冒険者で1人は商会の娘。年齢構成は14~22歳となっている。

 14歳は商会の娘ピール。メロンの皮のような薄い黄緑色の髪と、オレンジみたいに小ぶりな胸の少女。

 捉えられてからというもの、ずっと震えていた。既に粗相はした後のようで、下半身や衣服は濡れたままである。

 しかしそれを突っ込むものはいない。


 「商会のガキはともかく、冒険者はまだ心が全然折れてないな。見せしめにこの場で一人犯すか。」

 

 「ふっ、ふざけるなっ。誰がお前達にっ。」


 「良いのか?見せしめに最初に犯すのは商会の娘からでも良いんだぞ。」


 「くっ、ならば決闘しろ。私と1対1で決闘して私が勝ったら彼女だけには気概を加えない事を約束しろっ。」

 先程からほぼ全てを喋っている盗賊の男を、首魁ないしは幹部だと思い冒険者の女は提案を投げかける。


 「それを飲むメリットは?仮にこちらが負けたとして約束を守る保障もないのに?」


 「それでもだっ」


 冒険者達が負けたのは盗賊の実力が思いの外強かった事と、商会の娘を人質に取られた事にある。

 少なくとも冒険者達はそう思っている。

 山猫団の事を知らないのだが、その無知を加味したとしても利口とはいえない。


 それでもわずかながらも希望を得られるならという想いだけだった。


 「ふむ。手加減は出来ないし、負けた時に勝負をするお前が一番酷い目にあう事も承知という認識で良いんだな?」

 

 「自分の獲物は認めない。この中から選べ。俺もこの中から選ぶ。毒等はないし呪いもない。」

 片手剣を選び女は構える。盗賊の男も同じように片手剣を選んで構えた。


 「こういう場でのハンデとしてお前から攻めてくるがいい。」


 「先手を譲った事、後悔しろっ。」

 女は地面を蹴って男の右に移動しその後に距離を詰める。

 長引かせても損だと判断し、早期決着を着けようという心算だった。


 キンッキンッと金属音が響く音だけが木霊する。

 女の攻撃は男を捉える事は出来ない。

 その全てを男は受け流していく。


 30秒程女の攻撃が続くが男に掠る事すらなかった。

 仮にもBランク冒険者である女の攻撃が盗賊に掠る事すら出来ない。



 「さて、サービスタイムは終了だ。俺はお前達の実力、冒険者でいうところのランクには興味がない。しかし絶望を与えるためにあえて言おう。」


 「俺を含め我が山猫団の役職持ちはAランクを相手にしても負ける事はない。末端であってもBランクに負ける事はありえんよ。」

 

 「あの森を縄張りにして何十年も途絶える事無く生き続けている俺達にとって、人が決めたランク枠組みに収まるはずはないだろう?」

 「さっき見たあの肉奴隷だってAランクだったのだろう?その時点で敵わないと大人しく肉奴隷になっていれば……便器にならずに済んだのにな。」



 男が動きを見せるが女はその姿を捉える事は出来なかった。


 女は背中に衝撃を受けるとそのままうつ伏せに倒れ込む。

 立ち上がろうと手足に力をいれるが、立ち上がる事は出来なかった。

 男の足が女の背中を押し、地面に縫い付けているせいである。


 「俺の天職は【細断者】。切り裂いたりするのに特化している、その対象は魔物でも人でも変わらない。」


 その言葉の後、彼女の四肢は唐突に細断される。

 切られた事も気付かない程に。遅れてくる痛みに叫びをあげるが死ぬことはなかった。


 「簡単に死なれたら新たに肉奴隷を手にしようなんて出来ないだろう。何度も人里に降りるといらない仕事が増える。」

 「団員には回復を使えたり、自殺出来ない呪いをかけたりする奴がいてな。お前達は寿命や衰弱で死ぬ事はあっても、舌を噛んだり呼吸を止めたりして死ぬ事は許されない。」


 「肉奴隷として俺達の性処理としてここで一生を過ごす事になる。あぁ、無謀にも決闘を選んだお前はダルマのままだから便器かもしれんがな。」


 そう言って男はズボンを脱ぎ、下半身を露わにする。

 ダルマになった女を掴んでその身体を使う。前戯も何もあったものではない。

 女は四肢の痛みにより色々なモノを漏らしている。

 口からは嗚咽を目からは涙を、鼻からは鼻水を下半身からは尿を。



 「お前が見せしめになったな。」


 女としても人としても尊厳を無視され痛みと苦しみと悲しさと仲間達に対する申し訳なさと羞恥等に押しつぶされ……


 「お前にはもうこれは必要あるまい。」

 男は仲間の団員を呼んで、切り落とした女の腕や足を渡す。


 「点火。」

 受け取った男は自らの能力を駆使し、女の手足だったものは炎に包まれていく。

 女の手足は炭すら残さずこの世から焼失し消失した。

 これは、もし救助されたとしても、二度とくっつける事が出来ない事を示していた。

 

 

 ―――女は壊れた。



 その後他の5人は普通に男達に犯され、誰が注いだかわからない液体に満ちていた。


 こうして数日に渡り強姦と多少の暴力の果てに、終わりの見えない地獄は続いていく。



 強姦が始まり10日程が経った頃、見つかるはずのないアジトに来襲する人物達により、極上の地獄を味わうのが自分達になる事をまだ知らない。



――――――――――――――――――――――――――――


 後書きです。

 商会と娘の名前にツッコミはなしで。


 冒険者達を捉えてる手錠には、魔法を使えなくする呪いと筋力を落とす呪いがあるので抵抗が出来ない設定です。



 




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