傑作

漢字の読みに難があるものの、古風な言い回し、時折垣間見える詩的な表現など、外連味のない純粋な文章も相まって、綿密かつ混沌とした世界観をより一層深めているように感じました。

また、主人公の現代の価値観で育まれた倫理的な考え方と、転生後の刹那的な状況で重ねる価値観の狭間で揺れる感情を思うと、他では軽く扱われがちな"転生"という味付けもこの物語では要素の一つとしてしっかり馴染んでいると思います。

正直一言で言い表せない程迄に完成されている作品だと断言できます。

一応題名(タイトル)通りの内容ですが、その親しみ易い題名とは裏腹に世界観は深く、混沌としており、詐欺に近しい程にタイトルとのギャップが激しいのです。

読み手の感情を激しく揺さぶるジェットコースターのような作品なので、是非一読してみては如何でしょうか?