第40話
俺は、真っ直ぐ家に帰った。
お姉さんが来るまで時間が多少あった
テレビの電源をつけて夕方のニュースを観た
丁度、取り上げられていた内容が
ハラスメントの話題だった。
根性論とかは古く
より、人間がお互いを思いやり
そして
協調性を求められる時代になる
その幕開けだったのかもしれない
ガチャッ
。。。。
ガチャッ
「なんだよぉ」
「居るじゃんかぁ」
「居ないと思ったから鍵刺しちゃったじゃん」
「はーーーー」
「疲れたぁ」
ご飯でも食べに行きますか?
「大丈夫、大丈夫」
「作るよぉ」
「お風呂でも入ればぁ」
お湯入れて無いですよ
「そりゃそうだ」
「じゃぁ」
「シャワーでも浴びてくれば、少しはスッキリするだろうし」
「それと性欲もスッキリするぅ?」
良いんですか?
「バカなの?」
「私は僕くんの性欲を解消に来たんじゃないんだけどぉ」
「相談があるって言うからぁ」
「そんなんだったら帰ろうかなぁ?」
御免なさい
御免なさい
「もうぉ」
「良いからぁ」
「シャワー浴びてきなぁ」
お姉さんって本当に凄い
俺の思ってる事を超える答えを持っている
と言うか俺が単純なだけかも
髪を洗ってた時に
凄く良い匂いがした
今日のご飯は何だろう
楽しみだな
お姉さん料理上手いから
「あっ!」
「僕くん、ナイスタイミング」
え?
「お肉、買ってきたから」
「今日は焼肉だよ」
お姉さん?
「うん?」
焼肉屋みたいな食材ですけど
「だって、焼肉食べたいんだもーん」
にしても
すごいですよ
「加藤さんと食べて私とは食べないの?」
そう言う事じゃないですけど
火災報知機なりますよ流石に
「大丈夫!」
「外で食べるからぁ」
外ですか?
「うん!」
お姉さんは窓を指差した
お姉さん?
ベランダもどきで焼くんですか?
「だめかなぁ?」
「やっぱりぃ」
駄目だと思います。
「だよねぇ」
「でも、お姉さんはやりたいのぉ!」
そうですよね
じゃー
少しづつ焼いて煙に気をつけましょうか
「うんうん!」
そして
ゆっくり焼肉を始めた
お姉さん!
これ、めちゃくちゃ柔らかいですね
「そりゃぁ」
「高かったもん!」
ですよね
「お金は相談の内容によるかなぁ」
どういう事ですか?
「くだらなかったら全額、僕くんに請求しるねぇ」
「で、どうしたのかな?」
部長がセクハラで告発されて
その告発者が恐らく加藤で
俺の後輩であって部下だし
何が出来る事とかあるんですか?
「そうだねぇ」
「加藤さんは僕くんに告白してぇ」
「頭がきっと真っ白になってぇ」
「今まで溜まってた膿を一気に吐き出しちゃったんだねぇ」
「大変だったね、加藤さん」
「僕くんに気づかれない様に会社で明るく接していてぇ」
「えらいなぁ」
「加藤ちゃん!」
「くだらない相談では無いねぇ」
「連絡した方が良いのかしない方が良いのかぁ?」
「微妙だよねぇ」
「僕くんが心配して連絡したとしてもぉ」
「加藤ちゃんは何を話して良いか分からないと思うよぉ」
ですよね
俺は何も出来ないって事ですか?
「出来ないと思うよぉ」
「でも、私ならぁ」
「ほおっておけないかなぁ」
「わたしならぁ」
お姉さんなら?
「スマホ貸してぇ」
何でですか?
「電話するからぁ」
お姉さんが加藤と電話?
恋敵的な関係じゃないですか?
「は!」
「会っても無いのに敵味方なんかある訳ないでしょぉ」
「ほらぁ」
「よこしなさいぃぃぃぃ」
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