第37話久しぶり


「ぼ・く・く・ん」



うん?

お姉さんの声が聞こえてる?

いやいや

昨日はお姉さんは自分の家に帰ってるし



「ぼくくーーーーん」

お姉さんですか?

「それ以外の女がいたらぁ」

「流石のお姉さんも怒るぞぉ」

どうしたんですか?

自分の家に帰るって言ってましたよ

「おいおい」

「言ったけどさぁ」

「来ちゃ駄目だったぁ?」



まだ、俺は寝ぼけている様な

勝手に会話している?

夢をみてるの?

変な夢をみてる

気にせず寝よう



「おい!」

「コラッ!」

「朝だ!」

えぇぇぇぇぇぇええ!

お姉さん何で居るんですか?

「二度も同じ事を言わないと駄目なのかしらぁ」

夢だと思ってました

「そんな、変な夢だったのぉ」

「ひょっとして、加藤さんとイヤラシイ事してる夢観てたとかぁ」

そんなわけ無いじゃないですか

俺と加藤が

ないない

無いですよ!

「なんでそんなに慌ててるのかなぁ」

「怪しいぃ」

「そんなに童貞が嫌なのぉ?」

そりゃ

良くは無いですよ

こんな可愛い彼女がいて

まだ、卒業できて無いんですから

「いつも、タイミングが悪くなっちゃうよねぇ」

俺はスタンバイオッケーなんですけど

「そんな事、言ったらぁ」

「良いところでイッちゃうんだもん」

ごめんなさい

早漏で

「いじけるな、いじけるな」



お姉さんは俺の所に近寄ってきて

抱きしめてくれた

笑いながら

いつもの様に髪をクシャクシャして遊んでる

なんか、久しぶりな気がした

とても嬉しくて

俺は顔をあげお姉さんにキスをした



「おぉ!」

「僕くん、積極的だねぇ」

「今、するぅ?」

良いんですか?

「遅刻しても良いならぁ」

がーーーーん

これがタイミングですね

「朝ごはん、簡単だけど出来てるから一緒に食べよっ!」

お姉さん

何時から居るんですか?

「うーーん」

「朝ごはん作ってぇ」

「僕くんと話してぇ」

「さりげなくキスされてぇ」

「お姉さんもその気になってたのにさぁ」

「仕事を優先するなんてぇ!」

そんな、一気に言われても処理できないですよ

お姉さんってひょっとして

仕事と私どっちが大切なのよ!?

って聞くタイプなんですか?

「聞くわけ無いじゃん」

「なに、その少女漫画的なそれも一昔前、二昔前のはなしだよぉ」

そうですよね

聞きたくなって

「そうだなぁ」

「仕事は出来るほうがやれば良いと思う時もある」

「男性が家事をしたって良い時代でしょぉ」

確かにそうですね

お姉さんは働きたいですかずっと?

「今は考えてないかなぁ」

「今を楽しく生きたい!」

「だから、、、、」

「しよっ!」

本気で言ってますか?

「女性が言ってるんだよぉ」



俺は無意識に唾を飲み込んだ

そして

お姉さんの顔にキスをしようとした時!!!



「遅刻するよ!」

もーーー

朝から

からかわないで下さいよ

「からかってないよぉ」

「すこし本気だったしぃ」

「バイトなら軽い気持ちでやってたかもしれないけどぉ」

「それでも、駄目だけどねぇ」

どっち!

わかんないですよ

「こういう会話ひさしぶりだねぇ」

「幸せな時間だぁ」

俺も幸せです

会いに来てくれてありがとうございます。

「有難く思えよぉ」



(僕くんは本当に純粋な男の子だな)

(単純に私の嫉妬なんだけど)

(加藤さんに取られちゃうんじゃないかって)

(怖かった)

(でも、良かった)



「僕くん、遅刻するよぉ」

あっ

ほんとだ

すみません

俺、先に出ますね

「はいはい」

いってきまー

おっとっとっと

お姉さん、行ってきますのキスしましょ


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る