第35話再告白


「おつかれさまでーーす!」


加藤が乾杯の音頭をとった。

相変わらず元気で

疲れが少し軽減する

あの笑顔で楽になるんだろうな



はいはい

お疲れ様

「なんですかー」

「そのやる気のない返事はー」

いやいや

元気すぎるんだよ加藤は

「私から元気が無くなったら」

「空っぽですよ!」

確かに

そうだよな

「それは、それで酷いですよー」

今日はご馳走してやるから

好きなの食べろ

「良いんですかー?」

「彼女とデートに行く軍資金が無くなりますよ」

じゃー

ご馳走するのは止めるかな

「いや!男に二言はないですよー」

なんだよ

「ご馳走してくださーい」

変な事を言うからだろ

「すんません」

早く食って帰るぞ

「そんな、焦らせないでくださいよー」



二人で飯を食っていても飽きさせない加藤のコミュニケーション力は半端ない

特に俺から話を振らなくても話題が途切れる事はなかった。



「ご馳走様です!」

「先輩!」

今日は頑張ったからな

毎回、ご馳走するのは無理だけど

たまには、飯行くのも良いな

「じゃー」

「私が誘いますよー」

「何が好きですかー?」

そうだな

焼肉はやっぱり好きだな

「先輩もまだまだ若いって事ですねー」

そりゃー

まだ、20代だからな

「アラサーの20代ですよー」

一言、多いぞ

酔ったのか?

「酔わないですよー」

「3杯くらいじゃ」

そうだよなー

うちの部署は何かと打ち上げやら飲み会があるからな

強くもなるわな

何で帰るんだ?加藤は

「そうですねー」

「まだ電車があるんで電車で帰りますよ」

気をつけて帰れよ

「えぇぇぇぇぇえええ!」

「普通、駅まで一緒に行くよとか言いません?」

え!

付いていってほしいのか?

「意外と私、もてるんですけど!」

わかるよ

確かに加藤は可愛いからな

「急に告白ですか?」

は?

なんで?

「だって可愛いとか彼女さん以外に言っちゃって良いんですかー?」

逆に駄目なの?

「いやいや、嘘ですよ言うと思いますよー」

「女子だって彼氏がいてもかっこいいとか言いますからー」

そうだよなー

駄目なのかと思ったよ

しょうがないから駅まで付いてくよ

「やったー」

そんなに喜ぶかね

「喜びますよ!」

「好きな人と歩いてるだけで嬉しいですよー」

「だって嫌いになる人とご飯、行きませんし」

なんて答えれば良いか分からないんだけど

「先輩は先輩のままでいてください」

それじゃー

一生、加藤は俺の事を好きなままって事か?

「そうなるかも知れませんねー」

「ひょっとしたら彼女さんと別れて私と付き合うことになってるかも知れませんし」

「先輩と気持ちいい事したいですし」

「好き同士だったら抱きたい、抱かれたいって思うんじゃないですか?」

そうなんだけど

良いところで焦らされちゃうんだよな

「たまには強引にいっても良いと思いますよ」

「彼女さん、強引にきてもらいと思ってるかもしれないですよー」

「てか、なんで私が先輩の相談に乗ってるんですか?」

「恋敵なのに!」

かってに盛り上がって喋ってたぞ

お前、

「私から見るとじれったいんですよ!」

「ピュア過ぎー」

俺たちはそれが良いんだよ

きっと

「先輩、、、、」

おいおい

その間、怖いぞ

言うなよ

また接し方が分からなくなる

「言います!」

「2番で良いです!」

「駄目ですか?」



加藤は真剣な目で言ってきた

はっ!駄目に決まってるでしょ!

何を言うかと思ったら



加藤は可愛いかなり

でも、俺は彼女がいるし

2番とかそんなの駄目だろ

「そうですよねー」

当たり前だ

「でも、私が誘って断る男いないですよー」

そんな甘い声で言っても駄目だ

「でも、私は諦めないんで!」

「じゃ!」


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