第28話後輩
翌朝、俺が起きた時にはお姉さんはもう居なかった
いつもなら朝ごはんを作って一緒に食べるから何か寂しい
お姉さんと付き合うようになってからギリギリまで寝る事がなくなり
仕事もプライベートも充実している様に感じていた。
俺は洗面所に向かう途中にあるテーブル
手紙とおにぎり、味噌汁が置いてあった
手紙の内容はいたって簡単だった
俺はビックリした
お姉さんの雰囲気とは違いとても綺麗な字だった。
勝手な想像で字形を決め付けていた
でも、一方の俺の脳はそうだよなって思った
たまに見せる大人の落ち着きとたたづまいを考えたら納得する部分もあった
俺はお姉さんが作ってくれた朝ごはんを食べ歯を磨き
皿を洗い家を出た
極端に寂しいとは思わなかった。
朝ごはんと手紙の力は偉大だった。
足取り軽く会社に出勤できた。
会社に入り俺の部署まで歩いていると
後ろから声が聞こえた
「せんぱーい!」
俺は振り返り呼んでる方を見た
おーー
加藤、おはよ!
「おはようございます。」
相変わらず元気だな加藤は
「そうですか?」
「普通ですけどね」
「おじさんになったんじゃないですかー」
おい!
失礼だぞ
これでもお前の上司だぞ
「あー」
あー
って
(やれやれだな、後輩の中で一番可愛い、女性としてで無く)
昨日の資料は出来てるか?
「もちろん出来てますよ」
後で確認してやるから席ついたら持ってこいよ
「了解です、先輩!」
加藤は、オフィスに入るなり一番大きな声で挨拶をしていた
あいつが入るとオフィスの雰囲気が明るくなる
いわゆるムードメーカーとでも言っておこう
俺は席に着き
先輩から「お前、加藤と付き合ってるのか?」
いやいや付き合ってないですよ
「そうなの?結構、噂になってるぞお前ら」
えー!
そうなんですか?
「だって、最近は遅刻もしないし顔色も良いし」
「加藤も最近なんかパワーアップしてる様に見えるから」
「てっきり、お前ら付き合ってるのかなって」
いえいえ、付き合ってないですよ
もし、付き合ってたら言ってますよ
「加藤かなり人気があるから今がチャンスだぞ」
確かに加藤は可愛いしヘアースタイルも結構、俺好みだった。
身長が低く少し踵が高い靴を履いてる
あいつなりに身長が低い事にたいしてコンプレックスを抱えているのかも
しれないと今、感じた。
「先輩、資料です。」
ありがとう、後で確認しておく
「はい、お願いします。」
俺は、自分の抱えている案件を一段落したら
資料を確認しようと思いデスクの端の方に置いた
ふー
何とか一段落だな
腹も減ったしコンビニでも行くか
「先輩!」
おー
加藤、どうした?
「資料、確認してくれました?」
未だだよ、飯食ってからで良いか?
「大丈夫です、、、」
うん?
「早めに見てくださいね、ミスしてたら残業になっちゃうんで」
了解
一瞬、元気が無かった様にみえたけど
気のせいかな
まー
大丈夫だろ
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