第18話おかいもの

うん?

お姉さん!

ビックリすじゃないですか!

「そおぉ?」

俺は、ビックリするんですよ

「ごめんねぇ」

「待てなくてぇ」

「僕くんのことぉ」

外でそんな事、言われたら照れちゃいますよ!

「そうみたいだねぇ」

「顔が赤いもんねぇ」

「そ、う、い、う、の」

「大好きだ!」



お姉さんは一音一音息を入れてから

大好きだ!と大きな声で言った。

恥ずかしいと何故か思わなかった

きっと俺も好きだし

ひょっとしたら

お姉さんより好きって気持ちが大きいからだと思う



俺も

大好きだ!

「おっぉぉぉぉ」

「僕くん!」

「恥ずかしいよぉ」

俺は、恥ずかしくないですよ

もう一回、叫びましょうか?



お姉さんが人差し指を口につけて

しーー

ってアクションをしている

やっぱり何回みても可愛い



「まったくぅ」

「でも、嬉しいから許そうぉ!」



お姉さんは少し背伸びをして俺にキスをした



「お返しだぁ」

「さぁさぁ」

「こんな所でイチャイチャしても始まらないよぉ」

そうですね

これから何処に行くんですか?

「私はねぇ」

「ハイブランドも好きなんだけどぉ」

「彼氏にはハイブランドを身に着けて欲しくないんだよねぇ」

そうなんですか?

ハイブランドの方がお洒落だと思うんですけど

「お洒落だけどさぁ」

「ずっと、ハイブランドを身に着けてぇ」

「それが当たり前になるって、きっと別々の生活があると思うんだぁ」

「彼は彼、彼女は彼女って」

「私は嫌いだなぁ」

「そういうのぉ」

「ハイブランドを身に着けることでステータスだと思ったり、思われたり」

「それが良いとか悪いとかじゃないよぉ」

「まぁ、人それぞれだけどさぁ」

「だから、自分が無理しない程度でお金をかければ良いと思うんだぁ」



お姉さんの言葉は分かるような気がする

学生時代、友達はブランドの財布や時計などを身に着けていた

ブランドを持つ事でステータスになりモテたりしていた

挙句に誕生日、クリスマス詐欺みたいになってしまうケースもあった。

プレゼントを貰ったら別れるカップルを沢山、みてきた

俺は、お姉さんが始めての彼女で良かった。

ハイブランドに興味がなかったから



「さてさてぇ」

「先ずはここに入ろっかぁ!」



お姉さんが指を指したお店は、

かなりのロウブランドのお店だった。



お姉さん?

俺、イメチェンしに来たんですけど

「イメチェンでしょぉ!」

「わかってるぅわかってるぅ」

「四の五の言わずにぃ」

「お姉さんに付いてきなさいなぁ!」



お姉さんは、買い物カゴを持ち店内を見て回っていた



「よしぃ!」

「コレとコレとコレと」



買い物カゴがドンドン重くなって行く



お姉さん?

お姉さん?

「うん?」

「どうしたぁ?」

俺、一回も試着とかしてないですけど大丈夫ですか?

「うんっ!」

「大丈夫だよん」

「とりあえず、このお店では終わりかなぁ」



お姉さんが、早歩きでレジに向かっていった

俺は慌ててレジまで走ってしまった。


俺が払いますよ

俺の服なんで

「良いよぉ良いよぉ」

「居候させてもらった期間もあるしぃ」

でも、やっぱり

「そういう時はぁ」

「お姉さんに甘えなさい」

「コレが最後かも知れなんだぞぉ」

「私がお金を出す機会がぁ」

そんな、最後とか言わないでくださいよ

「まぁまぁ」



お姉さんはお会計を済ませ

俺の所に来た



あっ!

ごめんなさい

俺、持ちます!

「全くぅ!」

「お姉さんは、怒ったのだぁ」

「マックに行きたい!」

分かりました、マックに行きましょう!

「私はねぇ」

「シェイクとベーコンレタスバーガーのコンボセットぉぉぉ」

俺、並んでるんで座ってて下さい



俺と、お姉さんは内容が無い会話で笑っていた



「さてさてぇ」

「次はここかなぁー」


まだまだ

買い物の時間が続く様だ

普通なら飽きてしまうであろう

時間も幸せな一瞬

そう言えば、お姉さんの下の名前ってなんだろ?

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