第13話どうしたいの?


心地よい風が流れている

とても、気持ちよく自然に顔がにやけてしまう

うん?

俺、寝てるの

夢でもみてるのか

耳に優しい声が聞こえる


「おーい」

「おーいい」

「僕くん、大丈夫かなぁ?」


俺は、ハッと飛び起きた


「大丈夫かねぇ」

「急に倒れたからびっくりしたよぉ」

「ここまで抱っこするの大変だったんだぞぉ!」

ごめんなさい

「えっとぉ、僕くん?」

はい、どうしました?

「そろそろ、洋服着ても良いかなぁ」

うん?

うん?

えっ!

裸じゃないですか!

「そりゃぁ、そうだよ」

「お風呂で倒れちゃうし、そのまま寝転ぶしぃ」

「お姉さんはどうすれば良かったのかなぁ?」

そうですよね、

「まぁまぁ、無事で何よりだよぉ」

「一杯飲むかねぇ?」

「僕くん」

そうですね、飲みたいです!

「記憶が無くなるまで飲んじゃ駄目だぞぉ」

「第二のお姉さんが出てきてしまうからねぇ」

第二のお姉さんって誰ですか?

それに、今は家なんで大丈夫ですよ

「ほうほう」

「そう言う物かねぇ?」

そういう物なんですよ


「はいぃ」


お姉さんがテーブルにビールを注いだグラスを2個と軽いおつまみを置いた。

お洒落なお料理、でも俺は料理名を知らない


「では、では」

「かんぱーい」


めちゃくちゃ可愛い笑顔だ


「ぷはぁぁぁ」

「旨いねぇ!」

旨い!


声が重なった。


「あら、あっちゃたねぇ」

「これだけ一緒に住んでると似てくるんだねぇ」

「今日で、終わっちゃうけどねぇ」


そうだった、今日が終わったらお姉さんは居ないんだ


「おいおいおいぃぃぃ」

「なんだなんだ、そのしけた面は」

そんな顔してました?

「してたよぉ」

お姉さんこれ旨いです!

「そうなのよん」

「私、お料理好きなの」

「食べる事もお酒も好きだからぁ」

「外で毎日は出来ないでしょぉ」

「だったら、家で作ったほうがお得じゃんって思ってから作る様にしたんだよぉ」

そうなんですね



本当に旨くて箸が止まらなくなりそうだ


「おーいぃ」

「私も食べたいのだけどぉ」

「そんなに、美味しいかぁ?」

「嬉しいけどさぁ」



では、では、

お姉さんの簡単、おつまみレシピ


安いタコを買う

薄く幅広にタコをカット

冷やしたお皿にお酢、砂糖、塩を良く混ぜたものをかけておく

薄くカットしたタコをお皿の淵にそって華をイメージしながら盛り付ける

ブラックペッパー(粒)パラパラ

ピンクペッパー(粒)パラパラ

オリーブオイルを食べる直前にかける

ピンクペッパーは大体の家に無いので無ければ無いで良い

ブラックペッパーは出来れば粗引きとかじゃなくホールが良いな



お姉さん?

「うん?」

「どうしたのかなぁ」

「僕くん」

誰と話してるんですか?

「誰って?わからんよぉ」

「僕くんは私の心が読めるのぉ?」

「そんなにお姉さんの事が好きなのかなぁ?」


いつもの様にからかってくるお姉さん

最後のチャンスかも!

素直な気持ちで「はい」って言ってみよう



はい、好きです。

出来ればこのままずっと一緒にいたいです。

お姉さんが良ければこのまま俺の彼女になってくれませんか?


長い間が続いた


「ほうほう、僕くんは私の彼女になりたいのかぁ」

「悩むねぇ」

うそです。

気にしないでください

「気にしないと言われても真剣な顔で言ってたから」

「僕くんが私の彼氏かぁ」

「良いよぉ!」

「急に未来の旦那様って言ったからぁ」

「そうだねぇ」

「彼氏彼女の事情も良いよねぇ」

「僕くんはさぁ」

「何がしたいぃ?」

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