[9話]柚希とショッピング

 とりあえずショッピングモールで買い物をすることにした。俺の家に居てしかないだろうし、ショッピングモールで適当にぶらつけば何とかなるだろうという打算的な考え方ではあるが。

 

 実際に柚希、宇佐木さんは高校生で、正直に言って何をしたらいいのか30手前のおじさんには、わからん。

 そんなことを考えながら歩いていると井波さんが男の人歩いているが見えた。男と仲睦まじく話していた。

 誰なのだろうか、もしかして彼氏とかだったりするのだろうか。俺は動揺してしまう。


「どうしたのおじさん」


 柚木が俺がすこし挙動不審だったので、声をかけてきた。


「あぁなんでもない。それよりこれからどうする。俺の家にすることないかショッピングモールに来たわけだが」


「えぇー行く当てとかないわけ。仕方ないな亜美、いつもの所で見に行こう」


「オッケ〜」


 柚希が俺にこいつマジカと言いたげな目線を向けるが、代案を用意して宇佐木さんと服を見ることに

らしい。まぁこのままぶらつくよりか生産的だと

思い俺も二人に付いていった。


※※※


 二人が行きつけという店に到着した。店内はポップで可愛いらしいテイストで、客層は10代から20代前半の女性かカップルが多い。こういう店は学生時代は姉貴の荷物持ち、成人してからは、柚希の荷物ちでたまに連れてこられるので、慣れてはいる。


 大体店の前のベンチで暇を潰すか、呼ばれた時に

渋々行けば事なきを得る。今回もこのスタンスに

乗っ取りベンチでスマホをいじっていた。

 

 積んでいた本や仕事で使う資料を読んでると

「おじさんちょっとこっち来て」


「なんだ」

 

「これ、このコラボT可愛いくない。このキャラ選ぶなんてセンスあるよね」


 柚希が遊んでるFPSのキャラクターとコラボTシャツで、前面にキャラ、裏面はゲームのロゴに納得いる。


「FPSのコラボTシャツか珍しいな」

 

「でしょでしょ。ねぇお願い〜おじさん〜」


 これ買ってよと言うのが完全に透けたスマイルで

こっちに振りまいてく。初対面のおじさんならホイホイ釣れだが、そんな手に乗らない。


「やだよ、服なら姉貴に頼めよ。あの人ゲームはやらないけど服やファッションには金使うから

お願いしないさい」


「はぁ~そうする」


 全く、柚希を甘やかすとわがままになるので、

たまにNOと断わるようにしている。


「柚希っておじさん前だとちょっと違うよね。家族だからかな」


「「!!」」


 俺達のやり取りを見ていた宇佐美さんはふむふむと自分の中で咀嚼していた。

 



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