[8話]柚希の友達来訪
飲み会の次の日、柚希の友達が家に遊びに来ることになった。
柚希だけならいいのだが、姪の友達はお客様だからな。
ということで一通り掃除や準備はした。汚部屋というほど普段は
汚くないが、服や下着を出して置くわけにいかないし、
飲み物やお菓子を昨日家の近くのコンビニで買ってきた。
今どきのがきが何を食べているのか知らないので俺チョイスになって
しまったが仕方ない。
ピンポン。柚希だけならどんどんして
「おじさんいないの」と聞いて勝手に開けて入ってくる。
なので柚希以外なのだろう。
「はじめまして
ドアを開けると柚希となんだか日焼けした髪の短い女のこが
立っていた。
「よろしく。俺は冴木公正、柚希のおじさんだ。さぁ入ってくれ」
「おじゃまします」
「へぇ~普段よりきれいにしてんじゃん」
宇佐美さんは行儀よく入っていく、柚希とは真逆だ。
さすがに初対面の家でリラックスするのは無理な話だ。
「今日はお客様がいるからな。掃除くらいする。
後一言余計だ」
「まぁそうだけど、普段服とか雑誌とか散らかってるのにねぇ。なんかさ私がいつも来る時とは違うよね、配慮とかさ。私も遊びに来てるあげてるのに」
「お前は家族で姪だ。こんなちびの頃知ってるのに
配慮してどうするんだよ」
「そ、そうだしてもさ。私女だよ。あのだらしなさは軽く引く。」
「聞いていた通り仲いいですね」
俺たちが玄関で話していたら、居間にいる宇佐美さんがちょっと笑っていた。
柚希は面を食らっていた。
そうか?ぞんざいに扱っているだけなんだが。
俺にとってやっかいで面倒くさい姪っ子なのだがな。
「とういうか学校で俺の話してるのかよ、お前」
「うっさいな、たまにたまに」
柚希がむくれて抗議してくる。
「いやいやしょっちゅうじゃん」
宇佐美さんがいった。
「そうなのか」
何、男臭いとか、独り身わらロタとか言われてるのか俺。
「たとえば」
「わ~わ」
柚希が駆け足で宇佐美さんの口を抑えにかかった。
(何話そうしてんのさ亜美)
(ごめんごめんついね)
(全く)
二人だけでこそこそ話しているし。
仲良さそうだからいいけどね。
そういえばうちにくるときによく話に出てる子が
亜美とかいう名前だったけか。
話半分で聞いていたからあまり覚えていないが。
「あぁ、柚希もうちにくるとき、君のこと良く話すよ」
「「!!」」
「なんて言ってました」
宇佐美さんが食いつくてきた。
「とっつきやすくていい子だとか」
「おじさん!!」
柚希がおかんむりになった。
こういう機会でないと反撃できないからな、こいつに。
「茶番ここまでにして中に入ってくれ」
柚木はすこしおかんむりだが、無視しておこう。
俺はキッチンから買ってきたお菓子と飲み物を出してきた。
「ありがとうございます」
「正直何がわからなかった定番どころにしておいた」
「おじさん、またコンソメ。好きだよね」
「いいだろうコンソメうまいんだから。てかお前だって
よく食べるじゃないか」
「あるんだから食べるに決まってるでしょ」
そんな会話をしているとまた宇佐美さんが笑った。
「な、なんだよ」
初対面なのに柚木とばかり話してしっている気がする。
今度は宇佐美さんに話しを振ろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます