八話目
ニコライとアディーレに面識があって助かった。機械技師を探しやすくなった。情報をくれると言ったアディーレをその後ビルの居る情報管理部隊室に連れて行った。あとは情報管理部隊に任せる。そして今、俺がしなくてはならないのは______
「え?ニコ氏の観察?」
鉄臭い機械ばかりの監視室。暗い部屋に青い光を放つモニター。そこに居座りヘッドフォンをしている男は監視班のヴァニラ・ストーン。彼はこの国の中で一番機械を扱うのがうまいだろう。そして、サイコパスの天才ハッカーの異名を持つ男。
俺は、ニコライの様子を観察するようにお願いした。
「あぁ、そうだ。すまないな。」
「いいけどさ、本当ニコ氏好きだね?」
「そりゃ幼馴染だから仕方ないだろう。」
するとエナジードリンクを飲みながら笑った。
「なんだろうね。ニコ氏とアンタからは変な信頼?関係みたいのがあるとは思ってたけどこんなんだとは。神様が引き合わせた運命の関係なのかもね。」
情報管理部隊長に雑談をしながら書類に手を掛けていた。主に部隊長にアディーレちゃんの自慢話。部隊長の反応は凄く面白くて癖になりそう。すると扉をが三回ノックされた。
「どうかしました?」
部隊長がそう言って開けるとそこには綺麗なモカ色の髪と宝石のような翡翠色の瞳の少女、アディーレちゃんがいた。思わず立ち上がって「アディーレちゃん!!」と叫んだ。そして駆け寄るとアディーレちゃんが笑ってくれた。なんやこれ、天使なんか?
「実はお話がありまして。その______
“機械技師”について。 」
それからアディーレちゃんは話しだした。まず、ニコライさんと面識があったこと。そしてトラウマについて。
過去に同じ学校にいた機械技師が夢の男の子がアディーレの弟的な子だったと。人懐っこくて可愛らしい。クラスでもアディーレが一番彼に気に入られていたらしい。そんな可愛い彼は将来の夢について語った。
「父が機械技師だからってのもあるけど、やっぱ一番は自分が作った物が人の役に立つってのが嬉しいよね。」
そういう彼は本当に天才的な発明で有名人になった。それから彼は狙われるようになった。アディーレを連れて外国に引っ越そうとしたほど。それ程アディーレは気に入られていた。しかし彼は行方を眩ませて、アディーレは捕まったらしい。
だからアディーレが知っている情報は名前と性格しかわからないらしい。
名前はドラジエント・ビューライン。性格は明るくて内気な子。それでも真っすぐな意志を持ってる天才。
「ごめんね。本当にこれくらいしか知らないの。」
俺はアディーレの頭を撫でながら笑って言った。
「ええよええよ。名前だけでだいぶわかるから。」
「本当にアディーレちゃんにメロメロだね。ビル。」
と部隊長が冷やかしてくるから俺は部隊長を睨んだ。
「煩いっすよ。今はアディーレちゃんの声を聞いているんです。部隊長は黙っててください。」
「酷…。」
そんな漫才みたいな会話をしながらアディーレちゃんの頭を撫でる。アディーレちゃんは照れてて凄く可愛かった。
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