第5話 驚きと謎と涙

バリアに包まれながら、ロンは言った


「僕達これからどうすればいいのかな?」

「僕はまだ魔法使いの見習いだから、ずっとこのバリアもある訳では無い。そろそろ破けるかもしれない。とりあえず、この雲がどこかに行くまで、ここにいた方がいいのかな。」

そう言いなら魔夜は空を見上げた

そんな魔夜に気づかないでロンは言った

「お母さん、お父さん、心配してるのかな...2人とも無事なのかな?...怖いよ...」

魔夜はまだ空を見上げていた

ロンはやっと魔夜の不思議な姿に気づいた

「魔夜、どうしたの?」


「ありえない」

ロンがぽかんとして魔夜を見つめる

「...?」

魔夜は説明し始めた

「ほら、ここの上は黒い雲が覆っているだろ?でも、あっちの村の方には雲ひとつない。しかも反対側も青空。なぜここだけ豪雨?そのうえ、もしこれが天災なら、天気予報で取り上げられるはずだ。それだでは無い。この灰色の雲、何かを包んでいるように見える。」

ロンは理解出来たような出来ないような意味のわからない気持ちになっていた

「じゃあこれは自然災害では無いってこと?でもほかに有り得るのかな?まさか、魔夜みたいな魔法使いだったりして...そんなことないか...」


魔夜はハッとした


魔夜は先日述懐と喧嘩した時に投げた本の中に、ある物語が書いてあるのを見た。

そこにはアラビア語でこう書かれていた。


『灰色の雲に包まれし白い騎士と黒い悪魔が闘い、世界の1部を壊した』


魔夜は魔術の勉強で、各国語を使えたため、解読ができた。


魔夜はこれを今の状況に照らし合わせた。


「もしかして...」


バタバタし始めた魔夜を見てロンは問う。


「どうしたの?」


魔夜は心配するロンのことを無視して自分のバリアを解いた

さすが魔法使い‪、強風にもビクともしない。


「魔夜!!」

魔夜はロンの存在にやっと気づいた


「僕、行ってくる。」

何言ってるの?!危ないよ!」


「...大丈夫。僕は魔法使いだから!」

「魔夜のバカっ!ダメ!」

「どうしても確かめたいことがあるんだ!」


少し間を開けてロンは言った


「僕のこと、守ってくれないの?一緒にいてくれないの?」


「ロン...ずるいよ...」

魔夜少しニヤけて言った


「魔夜も行くなら僕も行く。」

「分かったけど、死ぬかもしれないよ?いいの?」

「うん。死んでもいい。だから魔夜と一緒にいたい」


覚悟を決めた目で魔夜は言った。

「おいで、ロン」


魔夜はロンに魔法をかけた

そして2人は手を繋いで空へ向かった


数分後灰色の雲に着いた

灰色の雲からはガシャンガシャンと何がぶつかり合う音や、爆発音、ピカピカと光が漏れていたりした。

「魔夜、これ、僕が言った冗談本当かもしれないよね?」

ロンは怯え始めた


「行くよ、ロン」

「うん...」


魔夜は魔法で雲の壁を壊した


その瞬間、魔夜はしりもちを着いた

そして震え、涙目をしていた


「嘘でしょ...」
























「父さん...!?」

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