第2話 答え
「あの魔夜…最近疲れてる?」
学校の帰り道急にロンから問われた。
「僕が?」
「ごめんね、なんか気になってて…魔夜が落ち込むことなんて少ないじゃん?…だから…」
「…まぁ、色々あって…。でも、大丈夫!心配ありがとう!」
「そ、そっか…よかった」
(いい加減にしてよ、父さん!)
魔夜はずっと怒っていた
いつもは優しく心が広いのに。
ロンに心配をかけたくないという優しい思いが、魔夜をそうさせた
そして、魔夜に限界が訪れた
「いい加減にして!!」
魔夜はぎっしりと魔術で埋められた本を投げた
投げて、投げて、投げまくる
「魔夜!どうしたんだ!」
「どうしたもこうしたもない!秘密なんて嫌だ!なんで?これは自分を守るための秘密?相手のための秘密?どっちかハッキリしてよ!さもないと…」
(ここから出ていってやる)
最後の言葉が出なかった
そして、数秒後、魔夜は我に返った
「ハァハァ、これ…僕がやったの…」
謝ろうとしたその時、述懐が思いもよらない事を語った
「……魔夜ごめんな、こんなに辛い思いをしてるとは思わなかった。友達の為に…魔夜はいい子だぞ。」
(え、なんで、なんで僕の思考が読めるの?!父さんの術の力?)
「父さん…ごめんなさい…片付けるから…」
「大丈夫だ、秘密、知りたいんだろ?どうして周りに魔法使いだということを言ってはいけないのか、どうして母が居ないのか。」
「うん、知りたい…でも!!」
「いい、もういいんだ。謝らなくていい。分かった。大まかなことを話すよ」
述懐によると、魔法使いはこの世に3人いる。魔夜、述懐、そして________
魔法使いは政府からは恐ろしい存在として処刑されてきた。
そのため、もしこのことがバレてしまったら、おそらく殺される。との事だった
母は毎日脅えていたため、自殺して亡くなったとか。
魔夜は衝撃を受けて、しりもちを着いた
「僕…死ぬの?」
震えた声で言った
「何もしなければ生きていけるさ。でも、もうその必要は無さそうだ…」
「え?父さん、何言ってるの」
「そのうち分かるさ。さぁ、仲直りのキス」
「おやすみなさい」
「おやすみ」
魔夜は寝る前のキスをした
でも、先のほどの発言は頭のいい魔夜でも意味がわからなかった
あの日が来るまでは
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