サンセット

勝利だギューちゃん

第1話

陽は登る。

そして、沈む。


学校帰りに見る、日没はとても神秘的に見えた。


「いつも、見てるね」

クラスの女の子に声をかけられる。


「珍しいね、君が僕に声をかけるなんて」

「たまにはね」

「きまぐれか?」

「うん。迷惑?」


僕の住んでいる県には、海がない。


「日本海側ならよかったのにね」

女の子がいう。


日本海に沈む夕日は、とても神秘的だ。


「ねえ」

「何?」

「ひとつ訊いていい?」

女の子が言う」


「何?」

「私の名前は?」

「知らない。」

「クラスメイトはわかるのに?」


彼女は僕に興味を持っていない。

自分に興味を持っていない人の名前には、僕も興味がない。


「ねえ」

「何?」

いいかげん、興味全部でかかわるのはやめてほしい。


「陽は登るかな」

「何が言いたい?」

「最近、下降気味なんだよね。あの夕日のように」


『陽はまた昇る』


あるスポーツ選手の言葉だ。

名言だと、思う。


「ねえ、付き合ってくれる?」

「どこへ?」

「近くにおしゃれなオープンカフェがあるの」

「友達か、彼氏と行け」

「言ったでしょ。下降気味だって」


俺は、この子の私物か・・・


「今だと、オレンジに照らされて、とても綺麗だよ」

「俺といると、後ろ指さされる」

「君の悪いところだよ。」

「あのな・・・」


空を見上げる。


「・・・たまには、いいかもな・・・」

「決まり。じゃあ行こう」


名前くらいは覚えておこうか・・・


「私は、藤原英里香。今日はよろしくね、昌也くん」

「いきなり、下の名前で?」

「君とは、長いお付き合いをしたいもの」

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サンセット 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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