第9話 蛮族の正体とアイシャの過去

GM:ではそこに駆け付けたザイデンとアイシャが倒れた蛮族を見つけますね。

GM/ザイデン:「これは・・・・レッサーオーガじゃないか」

パステル:「オーガ・・?」

ジロウ:「なんか知んないけど、強そうな名前だなぁ…」

GM/ザイデン:「レッサーオーガ。人間に化けることができる蛮族だ。大方、主人を襲い掛かってすり替わろうとしたのだろう」

パステル:「あ、そうでした。宿の人はっ!?」

GM/ザイデン:「ああ。宿の主人はこちらで保護した。逃げる時にあちこち擦りむいたみたいだが、大きな怪我はない」

パステル:「それなら、よかったぁ」

GM/宿の主人:「あああ、ありがとうございます。皆さんが来るのがもう少し遅かったら、どうなっていたか・・・・」ぺこぺこと頭を下げながら後ろから現れます

ウィスタ:「無事じゃったか…良かった良かった」

オルト:「大事にならなかったのならよかったよ。それにしても、昨日といい今日といい……なんなんだろう」

ジロウ:「続けてっすよねぇ…これ絶対なんかあるっすよねぇ…」

パステル:「今日の蛮族、人に化けるなんて・・・危ないですよね」

GM/アイシャ:「人に‥‥化ける・・・?」 ハッとしたようにアイシャが後ろで固まります

オルト:「おや、アイシャ。どうしたんだい?」

GM:アイシャは少し震えており、俯いてぎゅっと布包みを固く抱きしめます。

GM/ザイデン:「主人!すまないが宿の準備をしてくれないか」といってザイデンは宿へそそくさと向かいます。

パステル:な、何か隠してそう・・。

ジロウ:「あ、ちょっとザイデンさんーー!?ぜ、絶対あの親父何か隠してる…」

GM:まあ、隠してることは隠してます。ザイデン、アイシャから事情は聴いてるけど、他言しないって約束したしね。

ウィスタ:リカント語でやり取りしとこう。

オルト:ここでいきるリカント語!

ウィスタ:『ジロウ…こっそり後を付けてもらえるかの?』

ジロウ:『もちのロンっすよ』OKサイン

オルト:『そっちは任せるよ』



 ジロウはザイデン追跡のために、この場を離れることに。

 それにしても、リカント語のわかる男子3人が堂々と大声で秘密会話してるの面白いな。


GM:一方、アイシャは呼吸を整え、いくらか顔色も良くなりました。

オルト:「落ち着いたかい?」

GM/アイシャ:「うん…あの、聞いてくれる?」

オルト:「もちろん。オレたちで良ければいくらでも聞くよ」

GM/アイシャ:「お父様とお母様、それに屋敷の皆が襲われたあの日…」

 「蛮族たちを屋敷に入れたの、執事のジョンだったの」

 「ジョンは、わたしが生まれる前からずーっと屋敷にいてくれた執事で、蛮族の仲間だなんて誰も思わなかった…」

 「私も、ジョンをもう一人のお父様みたいに思ってたから…ショックで…」

オルト:「そうか、それはつらかったね……」

ウィスタ:「そうか…アイシャ殿もご苦労があったのじゃな…」

GM/アイシャ:「ジョンはお父様と相討ちになって、そのまま死んじゃった…どうして蛮族を呼んだのか、私にはずっとわからなかった…でも…」

 「人に化ける蛮族…もしか、したら…」そこでぎゅっとアイシャは包みを握ります

 「ジョンは、本物のジョンじゃなくて……んくっ」

パステル:「よく、話してくれたね。ありがと」

ウィスタ:「泣きたい時は泣くがええよ」

パステル:「今は、それだけでいいから・・」私、ぎゅってしていいですか。

GM/アイシャ:「うん…」

GM:アイシャは泣きそうになるのをこらえながら、包みの紐をごそごそとほどきます。中から現れたのは、一振りの剣。それも、明らかに魔力を帯びた品ですね。

GM/アイシャ:「これ、私の家に代々伝わる剣なの…」ぎゅっとされながら ぼそぼそと。

ウィスタ:「それは…?」

GM/アイシャ:「この魔剣がどんな魔力を秘めてるのか、知ってたのはお父様だけで…」

ウィスタ:見識判定しても良いですか?

GM:いいですよ。目標値は秘密ね。



 ウィスタとオルトが魔剣を調べたところ、オルトの達成値が思いの外、高い!

 ここでGMは、シナリオに書かれている魔剣の正体をアドリブで伝えることにした。



GM:では、オルトはこの魔剣は都市に設置される〈守りの剣〉と同じく、穢れの多いものを退ける効果があるということが分かります。逆に、武器としては効果はありません。刃の無い儀礼用の剣ですね

オルト:「おおぉっ! これは〈守りの剣〉みたいに、穢れが多いものを退けることができる魔剣だよ」

パステル:「〈守りの剣〉…ですか」

オルト:「実用性はないみたいだけどね。その分意匠が凝らされていて美しいね」

GM/アイシャ:「そう、みたい…。でも、どうやって使うのか、いつまで効果があるかは、私にもわからないの」

ジロウ:そりゃ蛮族も狙うよなぁ

ウィスタ:「アイシャ殿を護る為の剣ってことかのう」

パステル:「そうですね・・」

オルト:「なるほど、それで強い蛮族は襲いに来ないだろうってザイデンさんが言っていたわけか」

GM:はい。現状〈守りの剣〉としての効果は発現しているのですが、それが恒常的なものなのか、いつまで続くのかは誰にもわかりません。

GM/アイシャ:「だから、ハーヴェスに行って、調べてもらった方がいい、ってザイデンさんと冒険者ギルドのジャックスさんが言ってくれたの」

ウィスタ:「ワシらに話してくれてありがとう」

オルト:「話してくれたおかげで、随分いろんなことが見えてきた気がするよ。ありがとう」

ウィスタ:「ご両親が護ってくれておるのじゃな、きっと」

オルト:ウィスタの言葉にうんうんとうなずく

GM/アイシャ:「うう…うわぁぁぁん!」 オルトやウィスタの言葉に、ぎゅっとされてるパステルに顔を押し付けて、堰を切ったかのようにワンワンと泣きますね

パステル:「お守り、だよね」

GM/アイシャ:「えっぐ、ひっぐ……」

パステル:優しく抱きしめておきます。何も言わずに、背中と髪、なでてます。



●ザイデンを追跡


GM:では、ザイデンを追ったジロウの方ですが

ジロウ:はいさい。

GM:【隠密判定】敏捷度ボーナス+(スカウトLv or レンジャーLv)+2d6 振ってみましょっか。

オルト:がんばれー!

ジロウ:「(絶対何か隠してるっすよ~!ここは何か掴んで見せるっす…!俺の安全の為に!)」(ころころ)う…たったの9…

GM:ぱきり。ジロウの踏んだ小枝が音を立て……ザイデンがくるぅり、と振り向きます

ジロウ:「わ、わぉ~ん」

GM/ザイデン:「……いや目の前で犬の鳴きまねされても。まあ俺の方も、怪しまれても仕方ないとは思うが」

ジロウ:「わぉ~ん、わぉ~ん…そ、そうっすよ!めちゃ怪しいっすよ!」開き直って問い詰めた!

GM/ザイデン:「やれやれ、アイシャと「襲撃の時に何が起こったのか、俺は他言しない」って約束してたんだけどな」

ジロウ:「あ~…じゃあやっぱいいっす」

GM/ザイデン:「まあいいさ。あの様子じゃ、そろそろ自分から話すだろう。俺が隠してる事と言ったらそれくらいだよ」

 「導きの神ハルーラにかけて、俺に後ろ暗いことはないさ。誓ってもいい」

ジロウ:「てっきりザイデンさんがすんごい金目の物でも持ってるのかと思ったっすけど、アイシャちゃんとの約束なら俺がとやかく言えることはないっすね」

GM/ザイデン:「ははは。ないない。貧乏暇なしさ。正直、君達がここまで短時間で彼女の心を開いてくれたことは感謝してる」

 「君達さえよければ、依頼が終わった後も時々顔を見せてやってくれると嬉しい」

ジロウ:「そりゃもっちろん!はいはいはい!行きます行きます!何度でも行きます!いや~、俺って昔から女の子のハートをつかむことに関しては天才的だったっすからね…」

GM/ザイデン:「いやそれは嘘だろう」ぴしゃり

ジロウ:「なぜ嘘だと即バレするっすかねーーー!?」

GM/ザイデン:「親友の忘れ形見だからな。変な虫がつくようならまた別の手を考えるからな?」にやり、と口の端を持ち上げつつ。

ジロウ:「俺はゴキブリかよ…」

GM/ザイデン:「それくらいの生命力が冒険者には必要だともいうぞ。さて、それじゃあ宿の準備もあるから他の皆も呼んできてくれないか」

パステル:虫じゃなくて、おおかみさんです……別な意味で危なそうだけど(笑)。

ジロウ:はいは~いと、みんなと合流しました!

GM:といったところで! 急流やら襲撃やらで慌ただしかった2日目の夜は更けていきます。


 いよいよ明日は目的地。アイシャと打ち解けた冒険者たちは、最後まで仕事を完遂できるのか。

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