第1話 『転生:04』

あの後、適当にナカちゃん先生が明日からの予定を説明し解散となった。


俺は個別で呼び出され、その呼び方を辞めろと言われたが辞める気は無い。だって可愛いし。


「あ〜やっと来た舞桜ー!おそーいぞ!」


吏優が俺に手を振る。

校門前には、既に俺以外のメンバーが集まっていた。


「悪い悪い、ちょっとナカちゃん先生と大人の話をしててな」


「まさか舞桜、先生に告られたの……?」


瀬奈さん……?


「あー、マジか舞桜……ま、俺は良いと思うぜ?美紗先生可愛いと思うし」


「舞桜……君ってやつは……全く……」


大翔、聖汰、お前ら後でシバく。


「まぁ、そんな事は置いといて……。行こう?3人は午後練あるんでしょ?」


「魅來さんないすぅ…。そうだな、行くとするか」


助かったよ魅來……。


俺達は大通りの桜並木を抜け、駅前に着いた。

昔から通っている海鮮丼屋『海べぇ』だ。


中に入ると、6人用の大きなテーブル席があったのでそこに座る。

因みに席の配置は、俺、瀬奈、吏優。向かいに魅來、大翔、聖汰だ。


メニュー表を開かずに、俺達は注文を口頭で合わせる。


「俺はいつもの海べぇ丼だ。みんなは?」


「オレも」


「私もー」


「じゃあ、私もそうしようかな」


俺に続き、聖汰、瀬奈、魅來が海べぇ丼を頼むらしい。


「俺は練習あるから学生海鮮丼特盛で」


「吏優ちゃんは瀬奈程食事を気にしないからね〜、学生海鮮丼大盛りで」


「ちょっと、吏優!まるで私が超食事制限不健康女子みたいじゃない!」


「じゃあ私と同じの頼む?」


「う……っ、遠慮しとく……」


俺は店員が近くに来たタイミングで声を掛けて注文をする。


……去り際にリア充爆ぜろとか聞こえたのは気の所為だろう。


さて、取り敢えず持ってこいなのはこの話題かな。


「みんな、新クラスはどうだ?」


「どう……と言われてもなぁ。俺達は俺達としかまだ話していないし」


大翔の意見は最もだ。

俺達は基本俺達としか喋っていない。別に他の子が嫌とかでは無く、このメンバーが1番居心地が良いのだ。


水を一口飲み、聖汰が続ける。


「……多分舞桜が言いたいのはオレ達がクラスでどうかでは無く、クラス全体はどうかって意味だよな」


「流石だな聖汰。まさにその通りだ」


「……んー?クラス全体?おかしな所あった?良い雰囲気だったと思うけど」


瀬奈が隣で首を傾げる。

まぁ、瀬奈や大翔みたいなタイプはそう思うだろう。


「あからさまに、俺達に対して敵意を向けている人達が何人かいる。別に今すぐ対処しようとかそういうのじゃない。ただ、これだけは覚えていて欲しい。もし、誰かがお前らに危害を加えるような事があればそれは俺の責任だ。真っ先に頼ってくれ」


「………舞桜君、それは違うよ」


「………え?」


首を振り、口を開いたのは魅來だった。


「私達に何かあった所で、それは私達の責任でもある。自分達の手で解決しようともせずに、すぐ舞桜君に頼るのは間違ってるよ。舞桜君1人に背負わせるなんて私は嫌だ」


「魅來………」


「うん、そうだよ!舞桜に頼ったら全部1人で解決しそうだもん!私達も仲間なんだから!」


「そうだぜ、水臭いよ舞桜」


「全く、カッコつけすぎなんだよ舞桜はよぉー」


「さっきのセリフには吏優ちゃんも惚れそうになったけど、魅來に賛成。私達、仲間なんだからさ!」


「みんな……、了解した」


俺は頷き、それと同時に料理が運ばれてきた。


適当に雑談しながら食べた後、部活組と帰宅組で別れてその日は解散する事にした。








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