第1話 『転生:02』
瀬奈と春休み中の事を適当に喋りながら教室に向かう。
どうやら瀬奈とは同じクラスだったらしい。
2-7……ここか。
扉を開けると教壇の端、窓側に少し騒がしい数人のグループが出来ていた。
全員、知り合いだ。
「あ!紫雨だ!それに瀬奈っちも!こっちこっち〜!!」
ブレザーを脱ぎ、Yシャツ姿の小柄な少女が俺達を手招きする。
「ったく、朝から元気だな吏優(りゆ)」
「吏優はいっつも元気だよ!それにしてもお二人さん朝からアツアツですな〜」
吏優が横腹を肘で突っついてくる。
「馬鹿言うな。たまたま会って一緒に歩いて来ただけだよ」
「うんうん。舞桜がずーっと私の事口説いてて大変だったよ」
「嘘は止めなさい嘘は……。うん、みんな元気そうだな、魅來(みらい)、聖汰(せいた)、大翔(はると)」
一旦会話を区切り、残りのメンバー達を順に見る。
大人しい雰囲気で物腰柔らかそうな魅來。サッカー部のエースイケメンである聖汰。男子バスケットボール部で学内一、二位を争う瞬足の大翔。
それに瀬奈と同じ女子バスケットボールの吏優と瀬奈、帰宅部の俺を加えた計6人がこれからつるんで行くカースト上位のリア充達だ。
「なぁ、舞桜。どうする?」
唐突に聞いてきたのは聖汰だ。
何をどうするかなど聞かなくても俺には伝わる。
「そうだな……。ここは一先ず様子見でいこう。変な動きはしていないようだからな」
「了解」
他のメンバーは頭に疑問符が浮かび上がっている事だろう。
なんでだろうな、聖汰とは1年の頃から喋っているせいか何を言いたいのか目配せや雰囲気で感じる事が出来る。
「……??なになに?舞桜と聖汰どーしたんだよぉ?オレにも教えてくれよ〜!」
大翔だ。
「うむ……。このクラスで1番バストがデカいのは誰かと聖汰と目配せしていてな……」
"ムチッ"
「い、痛い痛い!痛いです魅來さん!!冗談だって!?」
魅來が溜め息をつき、ジト目でこちらを睨んでくる。
「舞桜君…。クラスの中で、しかも私達女の子がいる前でそんなエッチな事言ってはいけません」
「………魅來からそんな卑猥な単語が…」
「………蹴るよ?」
適当に談笑していたら時間がやってきた。
各々着席し、担任が来るのを待つ。
さてこのクラス、どうしたものか。
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