第1話 『転生:01』


新学期。

高校2年へと進級した俺、紫雨 舞桜 (しぐれ まお)。


高校まで一直線の桜並木。

その通学路で、俺は名も知らぬ女子生徒と話していた。


「紫雨先輩、今付き合ってる人いますか?」


「うーん、いないかな。絶賛彼女募集中って所だ」


「そ、そうなんですね…… !」


まぁ、大体彼女の考えている事は予想着く。


「その、先輩……良かったらっ!」


「やっほー、舞桜!元気してた?」


彼女が顔を赤くしながら言おうとしたセリフは、後方から背中を叩いてきた彼女の声に簡単に掻き消された。


「いっ!痛い痛い!……ったく、瀬奈さんもうちょい優しく叩けないんですかねぇ…?」


「え〜?舞桜さん、もしかして春休み中に身体なまったんじゃない??」


部活辞めてから確かに運動量は減ったな…。

メニュー増やしておくか…。


瀬奈といつもの馴れ合いをしていると、隣で女子生徒があわあわしていた。


「せ、瀬奈さん……!女子バスケットボール部エースで1年ながらレギュラーを任され、ウチの学校を全国大会まで引っ張ったとされる学園一を争う美少女!!」


早口で喋り終えた女子生徒は目を輝かせながら瀬奈と俺を交互に見ていた。


「えーっと、詳しい紹介どうもありがと。ところで、なんで舞桜と歩いてたの?」


ここは俺が説明するのが道理、か。


「さっき、この子が転んでな。手を貸して、心配だから一緒に歩いてたって訳さ」


決して口説いていたとか、そういうのじゃないぞ。

うん。


「なーんだ、そーいう事かぁ。てっきり私はライバルでも現れたのかと思っちゃったよ」


俺は女子生徒に視線を向ける。


「あ、あの!舞桜先輩ありがとうございました!私はこれでっ!」


そう言って、学校まで走って行ってしまった。

暫くして口を開ける。


「………瀬奈さん、貴方最初から全部分かった上で計算してあのタイミングで割り込んできたでしょ」


隣へ目を向けると瀬奈はニコッと笑い返してくる。


「うん!そうだよ?だって舞桜は誰にも取られたくないから!」


純粋なのか腹黒なのか……。


いやはや女子って怖い。














  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る