魔王くんはリア充男子高校生になりました、まる

さきのん

―プロローグ― 小さな世界の終焉

この銀河、宇宙には幾つもの星があり世界がある。


"魔界"と一言で表した所で、それはちっぽけなモノだろう。


そのちっぽけな世界で、小さな歴史が動こうとしていた。


「シグヴァ……どうして君が死ぬんだい…?」


少年は溢れ出る血液にまるで興味を示さずに答える。


「どうして、って……俺が死ななきゃこの戦いは終わらない。世界に平和は訪れないから、だ」


もう1人の少年が声を荒くする。


「いや、別の方法があるかもしれない!ボクはお前が死ぬなんて嫌だっ!……こんな所で、お前に死んで欲しくないんだよ……」


シグヴァなる少年はそれでも冷静に。


「数百万の民の命と、ちっぽけな俺の命を天秤にかけてみろ…。勇者軍の目的は俺1人の首だ。これ以上戦いを長引かせるメリットは無い」


「………でもっ!!」


「……さぁ、殺せ。またいつか会えた時、俺の配下になってくれるな?」


シグヴァは声色を変えず、少年に優しく微笑みかけて―――――。


「あぁ……ボクは忘れない。絶対、お前の名を後世に語り続ける!魔王シグヴァッ!」


"ブスッ"とシグヴァの腹部に剣が刺さる。

倒れ込んだ彼を少年は抱きとめた。


数分後、勇者達が玉座に訪れた時には、



二人諸共命を落としていた、という。

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