尾岡家のお食事事情


我が家の料理番は千子ちこさんです。

尾岡自身、料理ができないワケじゃないのですが、どうも段取りが悪くて、テキパキとできない。


料理しないワケじゃないです。

本日、7/23はオリンピックによる祝日移動で、僕はお休み。千子さんはお仕事だったので、僕が今回はお当番です。


お昼は長女なっちゃん達のリクエストで焼きそばを。今晩は、ちょっと僕もガンバルゾってことで。筑前煮とかき玉汁を作りました。

焼き魚と、チーズ餃子、(これはなっちゃん、ゆー君のリクエスト)酢の物は、千子さんが。


しかし、なんでこんなに手際良いんでしょうね。

これ世の主婦様、料理上手な方に言いたいんですけど。

最早さ、


「残像だ!」

って言い切るくらいの動きじゃん。すごいよ。(マテ




まぁ、そんなワケで日常的には千子さんが料理担当。おいらが配膳、下膳、炊飯担当といった感じになっています。


洗い物は基本二人で。千子さんが洗って。僕が拭いて片付ける感じで。


朝に関しては、千子さんがお弁当を作ってくれるので、僕はお茶を淹れたり。弁当箱にご飯だけ詰めたりしてます。


お弁当のおかず?

む、無理ぃ。

千子さんのように、色映えよく詰めるなんて無理ゲーですから。


というわけで、尾岡。料理はヤレばできるけど、誰かの為じゃないとヤル気起きない君なので、日常的には壊滅的。結婚前は本当にひどかった。


ちなみに短大生時代、174センチ、48キロだったからね!

え、今?

アラフォーの体重聞くのはセクハラだからね!


えぇ……。

結婚してから太ったわよ。

何、なんか文句でもあんの?

なっちゃんが僕のお腹さすって

「感触気持ち良いね、豚ちゃん」

とか言いやがるんですよ。


そ、そこまで太ってないからね!




そんな、ご飯が美味しくて

(この話題をする度に「手抜き料理しかしてないんだから、吹聴するのヤメて!」と全力否定する千子さんなんですけどね。そこがまた可愛い)

ただ我が家には一つ問題がありまして。


これは千子さんの問題なんじゃないかと思うんだけれど。

どうも、千子さんは食事に対しての執着がないのです。


こんな僕でも、一家の大黒柱的な役割ではあるので

(共働きなので、そう言うことを言うのも、そぐわない気がするのですが)

やっぱり仕事で遅くなる時があって。


________________


れき:先に食べていてください。


________________


こうLINEを送っても、先に食べてもらったことはなくて。

曰く


「れきさんがいないと食欲がわかないんだよね」

と奥様は仰る。


美味しそうに食べるんだって。

いや、実際、美味しいからね。


そう言えば、以前なっちゃんにこんなことを言われたっけ。


「お父さん、できるだけ早く帰ってきてよ。会社の人とお食事とか、分かるんだけどさ。ウチらの被害が甚大だからさ。お母さんのやる気、落差激しいからね。不謹慎かもしれないけど、コロナバンザイだよ」


いや、そんなことを言われてもね。と。それから、あからさまに不謹慎ですからね、なっちゃん。


「だって、私って、食事に執着なかったから。栄養補給さえできたら良いって感じだったんだよね。結婚後、私が太ったのはれきさんのせいだと思うんだよね」


と千子さん。

いや、それはお互い年をとったということで――。


「ふーん。そういうこと言うの、れきさん」


睨まれました。


「やる気なくなったなぁ。おかず減らそうかなぁ」


この後、徹底的に謝り倒したのは言うまでもありません。






「本当に、美味しそうに食べるね、れきさん」

「いや、千子さんのご飯は本当に美味しいから」

「あのさ?」

「なんだい、ゆー君」

「毎回、同じ会話繰り返して飽きない?」

「いや、美味しいから、そこはしっかり伝えたいし」

「やっぱり作った料理がどうだったのか、確認したいじゃない?」

「ゆー君、耐えるのよ」

「姉ちゃん」

「お母さんが上機嫌の方が、メニューのランクがあがる。ガチャで外れてノーマルばっかりより、毎日SSRが良いと思わない? だから耐えるの」

「……わかった。ここは耐えるよ」




いや、普通に二人で話しているだけで、どうして忍耐的な話になるのかな、君たち?

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