第61話 本当の勝利とは

「……おかしい」

「へっ? 何がですか?」


 ノインが異変に気付いたのは、第3フェーズが終わりかけていた頃だった。


「敵の数が少なすぎる」

「敵、ですか? もしかして、何体か倒し損ねてました?」

「いや、ゴブリンじゃなくてプレイヤーの方」

「……あぁ」


 確かに――と、ユキも気がつく。

 これまで何度もノルズは多くのプレイヤーたちに狙われてきていた。派閥という協定がなくなった今、信じられるのは己のクランのみ。ランキング入りするためには、ポイントを最も多く稼ぐノルズを倒すのが一番のはずなのだ。


 だが、一体どういうことだろうか。今までに比べて、今回は明らかに狙われる回数が少ないのだ。


「みんな、保守的に回ったとか……ですかね? ほら、これで最後だし、第3フェーズから死んだら成功ポイント半減になっちゃいますし」

「……そうだといいんだがな」


 ユキの考えは確かに筋が通っているが……ノインの表情は険しいままである。


「でも、後はキングゴブリンの位置を探るだけ! ペースさえ崩さなければ、大丈夫だよ!」


 Rui子が残った一匹を指差す通り、あのゴブリンを追いかけていけば最後のキングゴブリンの居場所がわかる。チェックメイトなのだ。


 ――何か企んでいたとしても、キングゴブリンのリスポーン地点さえ抑えればこっちの勝ち。もう薄暗くなってるから、見失うかもだけど……大丈夫! 焦らず対処すれば!


「皆さん、Rui子ちゃんの言う通り、最後の正念場ですよ! 力を合わせていきましょう! えい、えい――」


 「おー!」と拳を力強く振り上げようとした――その瞬間。


 突然、目の前から


「ヴォォォォォオオオオオッ!!!」

「ぉぉおおおっ!!?」


 まるで地響きを起こすかのような雄叫びに、思わず共鳴してしまうユキ。


 月が照らす夜空を覆い隠すように現れたそれは大きな翼を広げており、ユキたちよりも何十倍にも大きい存在。

 その影は――まるでドラゴン。


「ヴォォォオオオオオッ!!」


 黒い影はもう一度天に咆哮すると――そのまま地上に向かって垂直に突っ込んできた。


 衝撃が走る。


「――っ!!」

「おっとっと」


 あまりの衝撃に吹き飛ばされそうになるも、すかさずノインが前に出て盾を構えてくれた。


「みんな、大丈夫か?」

「センターとゴール下で真っ向勝負した並みの衝撃だったけど、なんとか踏ん張れたよ!」

「っぶなぁー!? 当たってないのに、ダメージ出そうな衝撃だったぞあれ!」

「先輩は?」

「――だ、大丈夫、ですっ!」


 立っていられずに地面へ転がりながらも、すぐに起き上がる。


 幸いにもノルズに直撃はしてなく、誰一人としてダメージは受けてないようだ。


 しかし――相手の狙いはそこじゃない。


「……あぁっ!?」


 ヨロヨロと立ち上がり、ふと影が追突した場所を見て……思わず悲痛の声をあげた。


 今さっきまでいたゴブリンが――跡形もなく消え去っているのだ。


「も、もしかして……!」

「あぁ、これが狙いだったみたいだな」


 相手の狙い。それは――ゴブリンの排除。

 それはつまり、キングゴブリンまでのリスポーン地点を探る手段を失ったという意味なのだ。


「今の攻撃……鷹隼騎士団の人、だね。間違いないよ」


 元クランで心当たりがあるのか、Rui子の口調には絶対の自信があった。


「ま、まだです! 他のエリアのゴブリンを――!」

「いや、先輩……もう遅い」


【第3フェーズが終了しました】

【10分後、最終フェーズに入ります】


 ノインの言葉を証拠付けるかのように表示されるアナウンス。


 ――これが相手の作戦!


 リスポーン地点を炙り出す前にゴブリンを倒して最終フェーズに移行させる。こうすることにより、リスポーン地点を陣取る作戦を封じることができるのだ。


 弱点は自分たちさえもリスポーン地点がわからなくなるという点だが……ノルズを妨害するのには、最高の手である。


 リスポーン地点がわからなくなる――つまり、ノルズはキングゴブリンを探るために分断せざるを得なくなった。


 四人の強みであるチームプレイ封じでもあるということなのだ。


「す、すみません……! 私が気にしてなかったばかりに、まんまと相手の策略に――」

「いいや、違うぜ先輩」


 頭を下げようとするユキだが、ノインが手で制す。


「これは――宣戦布告だ」

「……へ?」

「だってそうだろ? もう別に俺たちはキングゴブリンを倒さなくても1位確定。無理に探さなくたっていいんだ」

「あっ――!」


 ハッとユキも気がつく。


 そう――どっちにしろこの作戦はユキの考えた通り、もう既に手遅れなのだ。

 例えノルズがキングゴブリンを見つけられなくても、別の集団を倒せば……いや、何もしなくたっていいのだ。わざわざ勢力を分断してまで探す必要はない。相手もその事はわかっているだろう。


 なら、何故こんな行動に出たのか――そう、宣戦布告である。


 「キングを探したければ、自分たちと戦え」――そう意味が込められているのだろう。


「じゃ、じゃあ無理に探さなくても」

「あぁ、別に探さなくてもいい。だって、その必要はもうないんだしな」

「あ、あぁ、よかった……」


 ホッと一息。ユキの肩から力が抜ける。


「――でも、先輩はそれでいいのか?」

「……え?」


 しかし、ノインは続けた。

 真剣な表情で真っ直ぐとユキを見つめる。


「先輩の今回の目的は『ノルズで勝つこと』。ただ勝つだけじゃない――俺たちを見下してきたプレイヤーたちを全て見返した上で1位を掴み取る、完全勝利だ」

「……!」


 別に、キングゴブリンを探さなくていい。

 別に、ポイントを稼がなくてもいい。

 別に、相手の挑発に乗らなくてもいい。


 ――しかし、それで本当に完全勝利だと言えるのだろうか?


「本当に、それでいいのか?」

「…………」


 ユキは黙りこくる。

 自分の目的を確かめるため。

 今、何をするべきか判断するため。


「ユキちゃんっ」


 と。

 ユキは声をかけられた方を振り向く。


「いいじゃん、乗っちゃおうよ! こんな――こんなゾクゾクすること、滅多にないよ!」

「あぁ、面白いじゃないか。最後まで立ち向かう蒼く輝く精神、俺は気に入ったぞ」


 そこには、満面の笑みを浮かべている仲間たちの姿があった。

 その瞳に迷いはない。


 ユキは今一度ノインの顔を見つめ直す。


 ノインの瞳は何を表しているのか、確かめるため。


 怒り? 悲しみ? 真剣? ……いや、どれも違う。


 ノインは――まるで子供のように、楽しそうに目を輝かせているのだ。


 ユキの考えに迷いは消えた。


「――あぁあっ、もうっ!」




「これさ、別にノルズは乗っからなくてもいいんだよね」


 第23階層の上空を移動中のこと。ふと、クロサが呟く。


「だって、今向こうは圧倒的に勝ってるんだもん。私たちがキングゴブリンを先に見つけて倒そうが、あっちの勝ちだよね」

「はい」

「私達の作戦は無駄になるかもなんだよね」

「はい」


 クロサはどうにも半信半疑だった。

 そもそも自分自身があまり情熱を持たない人間である。楽に勝てればそれでいいし、それなりの結果を出せれば勝負に出なくてもいい。


 『楽して生きる』がモットーだと言っても過言ではないクロサにとって、こんな賭けに乗る人がいるとは思えない。


「……それでも、リーズの考えだとノルズは乗ってくる。それは確実なの?」

「――はい。間違いなく」

「なんで?」

「何故……ですか。何故って、そりゃあ――」


 だがしかし、リーズには確証があった。

 以前、深層で裏切ったことがあるものの、彼らのことは多少なりとも認めているのだ。


 格上だとわかっていても挑戦する勇気を。

 罠だとわかっていても怯まない度胸を。


 無謀だとわかっていても――向かってくる心意気を。


「――一気に行きますよ! 二人とも!」

「了解! 速攻だね!」

「誰が蒼茫へ辿り着くのに相応しいのか――この10分間で決めるしかないな!」

「――っ!」


 ふと下からそんな会話が聞こえてきた。

 目を見開くクロサに、リーズは楽しそうに笑う。


「――所詮、彼らも我々と同じ。RROの世界を生きるプレイヤーなのですから」



***



 『ロード』のスタンピードにおいての最終フェーズのリスポーン地点は第22階層の森の中、第24階層の洞窟、第25階層の砂漠である。

 そこでノインは第22階層へ残り、他の3人は別のリスポーン地点へ向かうことにした。


「大丈夫、ある程度目星はつけている。というか、俺たちを狙う敵も同じ場所へ向かってるはずだ」


 というノインの言葉とマークしたポイントを信じ、ユキたちはまず第24階層のリスポーン地点へ。


 外よりも薄暗い洞窟内へ侵入。ヒヤリとした空気を感じるが、気にしていられない。


 洞窟内でのリスポーン地点は限られている。というのも、キングゴブリンとゴブリン集団がリスポーンするにはかなり広い空間が必要なのだ。


 ――もうすぐノインさんのチェックポイント!


「――っ!」


 と。

 薄暗い洞窟内で開けた場所に辿り着いた3人だが……先客がいるようだ。


「やぁ、待ってたよユキちゃん」


 金髪の爽やかな青年と真っ赤なドラゴン。そして、それを取り巻く女性プレイヤーたち。


「Akiさん……!」


 ユキにとっては因縁の相手を苦々しく口に出す。


「へぇ。やっぱ鷹隼騎士団の言ってた通り、戦力を分断できたんだ」

「……組んでたんですか?」

「いいや? 情報提供する代わりに、第24階層のゴブリンを根絶やしにしてほしいっていう交換条件を出されただけ。後はどっちがキングゴブリンを倒して――どっちがノルズを狩るかは、早い者勝ちさ!」

「っ!」


 Akiが剣を振り上げる。

 それと同時に、三日月の迷い猫のメンバーたちが一斉に襲いかかってきた。


「トライアングルゾーン!」


 Rui子の指示に二人も三角形の陣形を組む。


「【ライトニング・クロー】!」

「【ファイヤーボール】!」

「【八咫烏】!」


 迫り来る技を3連撃で振り払う。


「昔より強くなったんじゃない、ユキ?」

「っ……当然です! あの頃とは違うんです!」


 感心する一人のプレイヤー。ユキの成長っぷりは以前共にしていた仲間からも顕著に表れているようだ。

 そう、もうあの頃とは違う。ミノタウロスに勝てず、誰にも力を借りずに一人で突っ走っていた時とは。


「何人相手しようが、誰にも負けない自信がありますよ!」

「……へぇ?」


 自信ありげなユキの発言に、目をスッと細める。


「でも、残念。最初の私たちの狙いは、貴女じゃないの」

「……?」

「陣形を崩すには――まず男から狙わないとね!」

「――あっ!?」


 ユキが龍矢の方を振り向く。


 思い返されるは、以前のロードの住民たちとの戦闘。

 あの時、ロードの住民たちの動きは何処かぎこちなかった。

 その理由は……男は女に手を出せないという心理を利用した戦法だったからだ。


 ――まずい!


「龍矢さ――」

「おっと。まだ私と遊びましょう?」

「くっ!?」


 慌ててローテーションをしようとするも、阻まれてしまう。


「きゃあっ!」


 ちょうどその時、龍矢の攻撃に一人の女性プレイヤーがその場で尻もちをついてしまっていた。


「ひっ――!」


 弓を構える龍矢に身体をびくつかせる。


「や、やめてっ!」

「――」


 弱々しい声と同時に、別の女性プレイヤーが龍矢へ駆け出す。


 ――そう、あんたは隙を見せる! それは男女差で起きてしまう、仕方ないこと! でも、それを利用しないわけにはいかない!


 今までもそうだった。女が少しか弱い部分を見せれば、男は怯む。

 「女子供は守らなくてはいけない」という心理を突き、数々の男性プレイヤーを


「【その連撃は天を割くドラゴンクロー】!」

「……は?」


 3連撃が容赦なく女性プレイヤーを襲う。


「……よし、一人目」


 あまりの躊躇なさにポカンとしていると、龍矢がこちらを見てきた。


「【全ては蒼茫に返るだろうピアシングアロー】!」

「う――わわっ!?」


 放たれる貫通矢。慌てて横っ飛びして避けるも。


「きゃあっ!?」

「うぁっ!」


 後ろにいた仲間たちが攻撃をモロに食らう。


「なっ、なっ……!」


 それからも龍矢の攻撃は続く。


「そこっ」

「いやぁっ!」

「あと、Rui子の方」

「ひぃっ!」

「おっと、ユキさん危ない。【濃藍の涙が降ってくるレインアロー】」

「「きゃぁあ!?」」


 躊躇なく放たれる矢。


 そう――彼は一切躊躇わない。例え相手が女だろうと。


「あ――あんた! 男としてそれはどうなの!?」


 堪らず女性プレイヤーが龍矢に叫んでしまう。


「ん? どう、とは?」

「そのまんまの意味よ! そんな簡単に女を攻撃していいと思ってるの!? 鬼畜にも程があると思わない!?」

「そうよそうよ!」

「鬼! 悪魔!」


 他のメンバーも同じことを思っていたのか、龍矢に非難を浴びせる。


「――ふっ」


 当の本人は……非難の声を聴くと、急に笑いだした。


「はははっ! はははははっ!」

「な、何よ……?」

「あのなぁ」


 大きく息を吸い……ギラリと目を向ける。




「俺はそういう男女間のことを戦いに持ち込むのが――大っっっ嫌いなんだよ!!」

「――っ!!」


 龍矢が躊躇わないのは女性としてではなく、一人のプレイヤーとして扱っているから。

 そこに男女間があるわけない。


「全員失せな! 【その一矢は地を穿つドラゴンテイル】!!」

「「「ひぃぃぃっ!?」」」


 容赦ない光線が放たれていく。

 すっかり怯えたメンバーは逃げることも忘れ、そのまま光線の餌食となった。


「ふっ……また、蒼い光へと誘われてしまったな……」

「「…………」」

「……ハッ!?」


 勝利に酔いしれるが、ユキとRui子がじっと見ていることに気がつく。


「な、なんだ? お前たちも鬼畜扱いしたいのか? 言っとくが、今回ばかりは譲る気はない――」

「いえ、そうじゃなく」


 仲間からも非難されるのではないかと狼狽える龍矢だが……手を上げ、彼の言葉を制すユキ。


「……ちょっと、見直しました」

「へ?」

「うんうん、バスケに男女なんて関係ないのと同じ! カッコよかったよ龍矢くん!」

「なっ、いや……ふっ。ノルズとして、当然のことをしたまでさ」

「ただの言い回しがめんどくさい人じゃなかったんですね」

「あっ、その一言は余計だねぇ!?」


 いつも通りの龍矢のツッコミに、少し嬉しくなったユキはつられて笑ってしまう。


「――随分と僕の子猫ちゃんたちを可愛がってくれたね?」


 と。

 満を持したかのようにAkiが3人の前に出てくる。


「ふんっ、今更出てきたところでもう遅い」

「3対1。いくら君がスコアラーだとしても、ボクたちだって弱くないよ!」


 しかも誰もダメージが少ない状態。ノルズが優勢であるのは明らかだ。


 ……だというのに、Akiの表情は崩れない。


「それはどうかな? 確かに戦力はそっちの方が大きいけど……状況は僕の方が優勢であることに変わりないよ」

「何を言って――」


 言い返そうとしたユキだが……ピタリと口が止まった。


 ――あれ?


 ここで3人で相手すればAkiを倒せる。それは確実だ。


 ――でも、ここでAkiさんが

 ――逃げ回るだけだとしたら?


 ゾワリと、背筋に悪寒が走った。


 ――だとしたら!


「Rui子ちゃん、龍矢さん! 今すぐ第25階層に行って!」

「え?」

「どういうことだ?」

「今、ここでAkiさんに時間稼ぎされたら、第25階層に行けなくなっちゃう!」


 そう、Akiの真の目的は時間稼ぎ。ここで3人からの攻撃を逃げ回り続け、第25階層へ向かう時間を大幅にロスさせることなのだ。

 それなら、彼を無視して第25階層へ向かえばいいのだが……ここも見捨てるわけにはいかない。


「っ! ショットクロックを24秒フルに使い続けるってことなんだね!」

「じゃあ、どうすればいい!? この男を放っておくわけにもいかないし、俺たちを見逃すわけもない!」

「大丈夫! この人は――!」


 最早、これは意地の張り合いだ。

 既に実際の勝ち負けは関係なくなっている。

 この勝負で相手に「負けた」と思わせたい――ただ、それだけなのだ。


「……わかった! 行くよ龍矢くん!」

「あぁ! 任せたぞリーダー!」

「任されました!」


 ユキの覚悟を感じ取ったのか、Rui子と龍矢は第25階層へ続く道へ駆け出していった。


「本当は愛しの子猫ちゃんたちをいたぶった彼を残したかったけど……まあ、ユキちゃんでもいいか」


 やはり自分のことを好いてくれている女性たちを、根絶やしにした龍矢に何かしら言いたいことがあったのか……ジロリと龍矢の背中を睨みつつも、今一度ユキの方へ向き直る。


「それにしても……随分バカなことをしたね? あの男がいないのに、本当にユキちゃん一人で僕に勝てるとでも?」

「グォォォォォオオオッ!!」

「……バカなこと、ですか」


 Akiがスラリと剣を抜くと、呼応してブラストドラグーンが咆哮した。


【Aki Lv.65】

【ユキ Lv.47.5】


 確かにバカなことだ。レベル差もかなりあるし、全体的なステータスを上げる龍の加護もついている。普通に考えて、勝てるわけがない。

 こんな差で挑もうなど、明らかに愚かな行為だ。


 今の自分を客観的に見たら、必ずユキはこのお決まりのツッコミを入れるだろう。


 ――あなた、バカなんですか!?


「えぇ、そうですよ。私もみんなと同じ、バカです」


 それでも、ユキは刀を抜いた。


「だからこそ、ノルズのリーダーなんです」



***



「すぅ……はぁ……」


 最終フェーズ開始まで残り7分。


 一人、第23階層に残ったノインは木の上で静かに目を閉じていた。

 最後の戦いに備えるための体力温存? それとも集中力を爆発的に上げるための精神統一?


 それもあるが――否。


「……来たか」


 ぽつりと呟く。


 薄暗い森の中、誰が何処にいるかなんて見えやしないが……彼には肌で感じたのだ。


 ノインの元へ迫り来る存在を。


 目を開け、そのまま地上へ降り立つ。


「……マケルゥウウ」

「待ってたぜ、ユウジン」


 髪をかき乱しながらも、目をギラつかせる男――ユウジン。


「決着だ……今度こそ、決着をつけてやる……!!」

「あぁ――決着をつけようぜ」


 ノインは楽しげに盾を構えた。

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