最後のメッセージ(続き)
「うぁぁぁああああああああ!!!」
『ヤマブキ?落ち着いて!大丈夫ですか?』
「うるさい!信じない!なぜ私なんだ?」
『良いですか?ミスターヤマブキ落ち着いて聞いてください。この未来電話があなたへの最初のコンタクトです』
「は?君に取ってはそうかもしれないが、もう何度も……」
『いえ、違うのです。ミスターヤマブキ。未来電話には逆進性があります』
「は?なんだって?」
『つまり、上書きされるたびに、過去に遡るということです』
「……どういう事だ?」
『私は今の絶望的な状況から人類を守るために過去への干渉という禁じ手を使う決意をしました。そのときにわかったことが未来電話の逆進性です。私のこの電話で何らかの変化があったとして、その未来から来る電話はこの電話より過去……つまり既にあなたが受け取っているのです』
「……なんだって?」
『もちろん、その変化によって、また新たな問題が生じる可能性がありますが…その時の私がまた未来電話をかけるでしょう、更に過去のあなたに』
「……」
『つまり、何回か未来電話があったとして、一番最初に受け取ったものが、もっとも最後の未来電話ということになります』
「…………」
『わかりますか?ミスターヤマブキ?あなたは我々の未来を既に知っている筈です。何度か受け取ったという事は滅びてはいないはずです。つまり、最悪の結果は免れたと判断しました。どうでしたか?我々の未来は?』
「……いや
……そうか
………そういうことだったのか」
『どうなりましたか?ミスター?』
「良かった……ありがとう」
ガコンッ
ドサッ
『今のは何の音ですか?……ミスター?どうしました?ミスター?』
未来からのメッセージ ハイブリッジ万生 @daiki763
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