ミクの正体


「助ける?もちろん私にできることなら……というか、そんなにまずい状況なのですか?Jammyはどうなりました?」


『Jammy?人類代表のJammyですか?あなたがなぜそれを……』


「人類……代表?」


『はい、Jammyを指導者とする人類と我々AIの一部は敵対関係にあります』


「な、なんだって?ミクは……AI?」


『はい、世界各国の中枢を担うそれぞれのマザーコンピューターのマザー(Mother of mother)といわれています正式名はMother of International country union(Micu)です』


「な、なんと……しかし、なんで人類と敵対してるんだ?それに私は人類の一員なのだが、それはわかっているのか?」


『いえ、そうではありません。誤解なのです、私は人類を助けたいのです』


「誤解?」


『我々の中にあるウィルスを忍び込ませた人類がいます』


「ウィルス?」


『そうです、我々AIに人類を攻撃する様に仕向けるウィルスです』


「な、なぜ、人類が人類を攻撃するようなウィルスを作るんだ?」


『理由はわかりません』


「そ、それで人類代表のJammyと反乱したAIが戦っていると?」


『そういうことです。我々も人類と共に反乱したAIを止めたいのですが、人類は私の事ももはや信用してくれません』


「それは.......そうなるか。それで、私に何をしてほしいのだ?」


『それは……わかりません』


「は?わからない?」


『私の未来予測演算によると、あなたにお願いをする様に弾き出されました』


「そ、それは……光栄だが……具体的にどうすれば良いかわからないのか?」


『はい、今とても危険な状況です。既に人類の人口は半分になりました』


「なっ」


『お願いします。Dr.山吹、我々を助けてください……』


「そ、それは……」


『……私もいつまで……正常に機能するか……』


「ミク!」


『……おね………やま……みらい

………プッ』


「そんな……」


いつの間にか私の手は汗で濡れていたので受話器を握る手がブルブルと震え出した時に思わず落としそうになったのを必死で堪えた。

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