待ち侘びた変化
あれから数十年経った。
私ももうかなり歳を取った。
まだ頭はしっかりしていると思うが身体が言う事を効かなくなってきた。
今、こうして西湖大学のオープンスペースの定位置に腰掛けて例の公衆電話が置かれているあたりをボンヤリと眺めているんだが……電話を待ってるわけではない。
おそらくもう、鳴らないような気さえしている。
それどころか、あの二回の不思議な電話はわたしの白昼夢ではなかったのかとさえ最近では思えてくる。
それくらい現実味のない話だ。
一度だけ望月教授に話したけど、笑わずに聞いてくれたっけ。
それ以来、身体を労られる様になったのは少しショックだったが……まぁ、普通はそうだよなと諦めた。
むしろ、そっちの方……わたしが少しばかりおかしな夢を見やすい質だと言う説の方が納得しやすいとまで思えてくる。
そんな、時にその電話は鳴った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます