驚きの証明法
『どうと言われましても、言葉通りの意味です』
「私が?世界を?どうやって?君、私が何をしているのか知ってるのかい?」
『勿論です。感情によるニュートリノ振動仮説ですよね?』
「……まあ、そうだ」
まあ、調べれば私が何を研究しているかくらいはわかるだろう。
しかし、だとすると、最初からターゲットは私だったということになり、テレビのドッキリだとしてもかなり大掛かりなものという事になる。
いや、こんな無名な客員教授に仕掛ける意味がわからない。
それとも、もっと身近な誰かが、私をバカにする目的でやっているのかもしれない。
それなら、納得できる。
「あの、誰だか知らないが、バカにする目的ならやめておけ。私はバカにされて怒るタイプじゃない。こんなの撮っても面白くならないぞ」
『え?とんでもない!私は本当に感謝したいだけなんです』
「…感謝ねぇ」
『信じて貰えないのは残念です。それでは今から起こることを当てて見るというのはどうでしょう?』
「はぁ?なにを言ってるんだ?切るぞ」
『これからスコールが来ます』
「何言ってる。雨なんか降るわけないだろ」
公衆電話ボックスの中から空を見上げるとたしかに曇ってはいるが降る気配はない。
ザーーー
と、突然の土砂降りに視界が霞んだ。
「う、うそだろ?」
『そして、落雷がありますがあなたの直ぐ近くに落ちますので目と耳を塞いで動かないでくださいね』
「……は、あ?」
『早く!』
「……いやいや」
そう言いながらも不承不承言われた通りにした次の瞬間。
ドドーーーーーーーーぅんぅんぅん
物凄い轟音と同時に閃光が走ったのが耳を塞ぎ目を閉じた状態でもハッキリと感じられた。
「うわぁ!!!……な?なんでわかった?!」
わたしは再び受話器を取って話しかけた。
土砂降りはかなり弱まっている。
通り雨ならぬ通り雷雨を当てたのか?
現代のどんなに正確な天気予報技術を用いても落雷の場所までは特定できない筈だ。
私が知らないだけで出来る様な技術が開発されたのだろうか?
『これで、少しは信じてもらえましたか?』
「え?いや、あの、嘘だろ……未来電話だと」
『はい』
「ほんとうに?」
『はい』
私は半信半疑ながらも聞かずにはいられない事に思い当たった。
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