未来からのメッセージ
私はやや疲れた頭を落ち着かせる為に学舎の中にあるオープンスペースに向かい冷たいブラックコーヒーを自販機で購入した。
自販機の横には無造作に置かれたプラスチック製のテーブルやら椅子やらが置かれている。
私はその椅子の一つを無造作にひっぱり腰掛けると紙コップにしては美味しいと感じる珈琲をすすった。
ブラックコーヒーには血管を拡げたり体温を下げたりする効果があると、何処かで聞いたのを思い出した。
ここの大学に勤めている入江教授のツテで、なんとか客員教授として細々と教鞭をとる事ができている。
脳科学が専門の私はその実力、というよりはたまたま脳科学の授業をする教授が海外から帰ってこれなくなったという事で穴埋め的に呼ばれているのだ。
当初は自由に授業してくれて良いとの事だったのだが、あまりにも自由すぎる内容が上にバレた様で紹介者の入江に何らかの苦情がいったらしい。
とはいえ長年の付き合いで、こちらの方が少し年上なのにあんな言い方しなくても、、、
そんな事を考えながら黄昏れていると視界の端に見覚えのない公衆電話を捉えた。
私は何となく違和感を感じた。
こんなところに公衆電話……しかも黄色い公衆電話なんてあっただろうか?
その時、まるで私の思考を読み取ったかの様に突然、呼び出し音が響いた。
私は驚いて少しだけ、身体全身に力が入ったが、直ぐに冷静さを取り戻すべく自問自答した。
「なにを焦っているんだ?誰かに電話がかかって来ただけじゃないか?」
私は周りを見廻したが、居るのは私だけだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます