それが山吹
「更に強い感情は強烈な感情ニュートリノ振動を周囲にもたらして、物質の中に投影される場合もある」
生徒たちはいつしか興味深々で聴いていた。
「そうなるとその場にたまたま同じような遺伝子情報を持った人が近づくと共鳴してしまう可能性がある」
「………」
「このことで、さまざまな心霊現象も解明されるとわたしは思っている」
「教授、その感情ニュートリノ振動というのは観測されたのですか?」
望月と言われた女生徒はやや熱気を孕んだ質問を投げかけた。
周りの生徒も固唾を呑んで聴いている。
「……いや、あくまで仮説の段階」
教授は事もなげにそう言って頬をポリポリとかいた。
教室全体にガッカリというため息とヤッパリという諦めの声が漏れ聞こえた。
教授はそれでもマァマァというゼスチャーをしながら「君たち、学問と言うのは想像するところから全てがはじまるのだよ」
悪びれもせずそういうと口角を上げた。
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