商談交渉4
とりあえず商談の一つである硬貨の取引を終えたクレア嬢は買取契約書と会員証発行の準備のため席を立ち部屋を出ていった。
会員証発行の手続きの署名の際に少しだけ問題が発生したのだが、ここでは割愛…というか後ほど説明させていただく…
ちなみに俺が鑑定した彼女のステータスは一部を割愛するとこんな感じだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
名前:クレア・ノーストン 22歳
職業:商業ギルド受付嬢(偽装)/商業ギルドギルドマスター
人種:人族
LV:12
HP:76/76
MP:122/122
力:24
魔力:68
体力:60
敏捷:51
幸運:77
魅力:81
<スキル>
鑑定Lv8、算術Lv9、交渉術Lv8、採取Lv3、採掘Lv3、調合Lv3、彫金Lv3、錬金術Lv3、木工Lv3、鍛治Lv3、裁縫Lv3、革細工Lv3、料理Lv8、魔力操作Lv2
<
商才、努力、猪突猛進
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
鑑定しておいてなんだけど、クレア嬢めっちゃ多彩じゃね?
ギルドマスターなんて役職だからかは分からんけど、生産系らしきスキルが軒並み揃ってるんだが…
こっちの常識なんて知らないが、これだけのスキルを備えるのってたぶんめっちゃ大変なんじゃないかと思うんだよね。
あと気になったのが<
気になったので鑑定してみた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<才能>
『猪突猛進』
集中して物事に対して行動を行う際にその行動に対して取得経験値が増加する。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
要するに経験値ブーストってことか。
増加の割合は分からんけど、例えば集中して鍛治に関わる作業をすると『スキル』鍛治のLvを上げるために必要な取得経験値が普段よりも増えるってことだろうね。
すっごい便利じゃないの…
俺も欲しい<才能>ではあるけど、これって体得出来るものなんだろうか?
何となくの考えではあるが、スキルは頑張れば体得出来るような気がするんだけど、才能なんてのは生まれ持ったものだろうから頑張ってどうこうなる様なものじゃない気がするんだよね。
まぁとりあえず無い物ねだりしたところで仕方ないか。
しばらくして、部屋の扉がノックされ手続きを終えたらしいクレア嬢が入室して来た。
「大変お待たせして申し訳ありませんでした…なんとか会員証の発行は出来ましたが、前例の無い事だったので本当に大変でした…」
随分と疲れた様子のクレア嬢…
なんかすいません?
「結果的に虚偽では無かった事が幸いでしたが…それにしても、本当に異世界人なのですね…」
「先ほどもそう説明したじゃないですか…じゃなきゃあの50円玉…じゃない、硬貨の説明もつかんでしょう?」
冒頭であった問題というのがコレである。
俺の人種問題だね。
俺のステータス上の人種というのが異世界人という人種だった事が問題になってたのよね。
クレア嬢曰く、会員証を発行する際に虚偽を書くことは処罰の対象になるため、前例の無い人種、つまり異世界人という人種が嘘だという事で一悶着あったのだ。
どうやって虚偽の判断をするのかというと、登録の際に『真実の眼』とかいうアーティファクト?を使用して判定した上で作成を行うのだとか。
その情報もぶっちゃけ社外秘なんじゃね?と思う所はあったが、とりあえずその話は横に置いておいた方が良さそうだと判断して華麗にスルーしておく。
ちなみに俺の名前だが、本名の名前ではなく『キーダ』で署名したのだが、こちらは俺自身がこの世界で生きる上で本名を捨て、新たに『キーダ』として生きると決めたおかげか、何事も無く審査は通った模様。
きっと俺自身のステータスも変わったところがあるかも知れないので後で確認しておこう。
閑話休題
「それでは何とか会員証の発行自体は出来たので、次に本人登録を行いますね。このカードにキーダ様の魔力を登録しキーダ様以外使用出来なくなる様に致します。このカードを手に持って魔力を流してください」
と言って手渡されたのはいいのだが、魔力を流すってどうやるのよ?
こちとら右も左も分からんド素人よ?
「え〜っと、申し訳ない…俺がいた世界では魔力なんてモノが存在しなかったからどうやればいいのか分からないのですが…いや、ステータス上で魔力って項目があって俺も魔力を持っているってのは理解しているんだけど、使い方が分からないので教えてもらえたらありがたいんですけど…」
「なるほど…では少し失礼しますね?」
と言ってクレア嬢は俺の右手を包み込む様に両手で握る。
「目を閉じて右手に感覚を集中させてください」
俺は言われた通りに目を閉じ、感覚を研ぎ澄ませる様に右手に意識を集中する…
なんかお肌がサラッとして尚且つプニプニしてて柔らかいですね…
ずっと握っていたい感触です。
「では今から魔力を流しますので感じ取ってくださいね?」
「あ、はい…」
などとくだらない事を考えていたのを察知されたかどうかは知らないが、釘を刺されたような気もするけど改めて感覚を集中する…
………
「んっ…これは…しゅごい…っ」
ちょっと!?
変な声出さないでくれませんかね!?
しゅごいって何がしゅごいのか気になるじゃないの!?
「んっ…わかり、ますか…?今わたし、の魔力を同調させているん…ですが…くぅ…っ!」
クレア嬢がなんだか分からんが悶える様な感じでとってもエロいです…
じゃなくて!!
今クレア嬢は俺に魔力を流しているらしいんだけど、え?それってそんなにキツい感じなの!?
コレは色んな意味でいかんと思った俺は魔力を感じ取れる様に集中する。
邪念を捨てろ!
クレア嬢の喘ぐ様な声なんて気のせいだ!
集中しろ!
燃えろ…俺の
するとどうでしょう
なんとなくだけど、右手の甲と掌から言い表すのが難しい何かが俺の右手を通して俺の中に入って来ようとしているのが感じられる。
このよく分からない何かが魔力って事なんだろうか?
ん〜…ん〜???
この感じに似たモノを俺の中で探してみると見つけることが出来たんだけど、なんというかクレア嬢と比べると変な感じがするんだが…
クレア嬢の魔力?は今でこそ魔力を集中して流そうとしているせいか全身から両手に向けて流れている様に感じられるが、基本的には一定の波の様な形状を保っている様に感じられる。
一方の俺はというと、一言で言えばめっちゃ不安定。
出力の調整が出来ていない様な感じでなんとも不安しか感じない様な有様である。
とりあえず、俺が魔力らしきモノを認識し見様見真似で俺の魔力をクレア嬢に流してみた時にそれは起こった。
「っっっ!?!?!?ああぁぁぁんっ♡♡♡♡♡」
『スキル【魔力操作】、【魔力感知】を取得しました』
クレア嬢が嬌声を上げてぺたりと床にへたり込みピクピクと痙攣する様に悶えている一方で俺の脳内ではこんなアナウンスが流れた。
脳内で、なんて厨二っぽい事を言ってしまったがこう表現するしかないのでしょうがない。
そんな事よりもクレア嬢の様子がヤバい…
俺の右手を強く握ったまま恍惚とした表情で息遣いも荒く虚空に目を彷徨わせている…
なんだろうねこれ…?
クレア嬢の表情だけ見たら完全に事後って様子なんだけど…
ど、どうしたものやら…
「あ〜…あの〜…クレア嬢…?」
「んっ…♡……んぅ♡♡♡」
ダメだこりゃ…
俺はどうやらやらかしてしまったらしい…
うむ…
ここは一つ彼女が落ち着くまで放置する事にしようか。
心の片隅で申し訳ない気持ちになりながらも、俺はとりあえず現状維持する事にして彼女の意識が戻るのを待つのであった…まる…
あとがき
どうも作者の銀狐@にゃ〜さんです。
読み返して思ったのですが、全く話が進んで無いですね。
申し訳ない…
当初の予定ではクレア嬢がこんな目に遭う予定はなかったはずなのですが、コレはコレでアリかな?と思ってそのまま投稿してみました。
反省はしてません。←
全く、無自覚とは言え主人公はひどいやつですね←
さて…←
ここで謝辞をば…
ここまで読んでいただきありがとうございます!
皆様のおかげで週間ランキングが4桁から3桁、それどころか100位以内も見えて来たくらいに順位が跳ね上がっておりまして、作者は内心戦々恐々としながらも狂喜乱舞しております。
ありがとうございます(*´꒳`*)
この作品に対して面白い、続きが気になる、クレア嬢どうなるんや!?と思った方は↓の⭐︎をぽちぽちぽちっとして下さると嬉しいです。
広告クリックもしてくれたらリワードゲット出来たりするので嬉しいでゲスねぇ…(ゲスい笑み)
と、まぁ作者は本能に忠実ですが←
良ければ今後も応援頂けると幸いです。
近々に限定レポで今回の後日談的なEPを執筆しようかと画策中ですが、そちらはまだ着手してないのでまだ未定です。
予告無しでたぶん投稿すると思いますので、その時はチェックしていただけたらと思います。
今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます