第108話 感動の広がり〜両親と儀式〜

「おめでとう」


「おめでとう。」


「おめでとぉ」


「おめでとうっ!」


お義父様、お義母様、母さん、父さんが順番にお祝いの言葉を述べてくれた。


「お父さん、お母さん!!」


さくやさんがお義父様たちを見て、強くその名前を呼ぶ。


「父さん、母さん……」


俺は今にも叫びだしそうな父さんと母さんを見て、相変わらずだなと苦笑いしながらその名前を呼んだ。


両親達と俺とさくやさんとの間で、視線だけが巡る。


父さんと母さんの『あんたもやるねぇ』というニヤケだったり、お義父様の『娘を任せた』という強い想いだったり。そんな様々な思惑が、視線だけで行き来する。


最後に、さくやさんと目を合わせて小さく頷き合って、


「「ありがとうございます」」


二人で一緒に深く頭を下げて、それぞれの両親に感謝を伝えた。


「うむ」


「はい」


「はぁい」


「はいよ」


四人がそれぞれの違う表情で返事で。でも、みんな笑って応える。


「ご両家の方々、揃いまして。では、挙式に参ります。」


タイミングを見計らっていたのか、丁度良く本殿から神主さんが現れて、微笑んだ。


「ご両家の皆様はこちらにお並びください。皆様も、一歩前へ。」


神主さんの後ろから出てきた巫女さんが、そう言って神主さんに白いひらひらの紙のついた棒を渡す。


確か、御幣ごへいという名前だった気がする。


「では、祓い清めます。言巻くも畏き大神の御前に白さく……」


神主さんは御幣を軽く振って、祝詞のりとを唱えた。


長くて内容もよくわからないが、神主さんが御幣を振るたびに心がスッと清まっていくような気がする。


「あまり緊張なさらないでください。うちはそこまで厳格ではありませんので。」


俺がガチガチに緊張しているのを見て、御幣を振り終えた神主さんが微笑みながら言う。


「あ、あはは、善処します。」


正直、リラックスできそうな気はしないが、そう言ってもらえて少し肩の荷が下りた。


「では、続いて三々九度の盃を執り行います。巫女の言う通りにお飲みください。」


神主さんの声に合わせて、巫女さんが大中小の三つの盃を持ってきた。


巫女さんがお酒を三回に分けて、一番小さな盃に注ぐ。


「新郎様のあと新婦様。そしてもう一度新郎様がお飲みください。三回に分けてお口にお含みください。」


小さな声で囁かれるまま、俺は盃を手に取る。


一口目は神様へ、二口目は家族へ、三口目は御来賓への感謝を込めて、三度に分けてお酒を口に含む。


さくやさんもお酒を呑み、もう一度俺が呑む。


それを順番を入れ替えながら中、大と三回繰り返す。


三つの杯を使って、三回で注ぎ、三回で飲み、新郎新婦合わせて合計九回神酒を飲むから、三々九度の盃と言うらしい。


ぶっつけ本番でお世辞にも上手いとは言えないが、なんとか大きく間違わずに終えることができた。


逐一、巫女さんが教えてくれるのもとても有り難かった。


「お見事です。では、次に参りましょう。」


神主さんが俺たちを見て微笑み、巫女さんがを取り出した。








 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 


遅れてしまいすみません。


結婚したことがないもので、調べつつ書いております。

なので、間違っているところもあるかもしれませんので、コメント頂ければ幸いです。


今回のお話も後で少し書き直すかもしれません!


お話もあともう少しですね!

完結まで頑張っていきますので、ぜひ☆☆☆よろしくおねがいします!!!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る