第48話 皆様ご存知今治ですよ

「松山ー!!!!」


休憩で寄ったコンビニの駐車場で、控えめに叫ぶ。


いやぁ、あの松山ですよ。

島根の松江、香川の高松とごっちゃになって間違えやすいで有名な松山です。


愛媛県の県庁所在地ですよ。

だからなんだって話だが、なんとなく県庁所在地ってスゴそうじゃん。


ビルどーん、駅どーん。からの、人どぱーって感じ。

そりゃ東京都かと比べたら見劣りするが、それでも都会は都会。だから


俺がいるのは松山入りたてのコンビニなので、別に都会感はないが、このまま進めば徐々に都会になっていく……はず。


これでこのままずっと畑ばっかで、駅ぽつーんだったら悲しすぎる。


といっても、ちゃんと行ったことがないから詳しくは分からない。


「さぁ、いこう!」


俺は車に乗り込んで、エンジンをかけながら言う。

ずっと座っているお尻は、別にそこまで痛くなかった。


俺が社畜歴長いってのもあるだろうけど、別にそこまで痛くなるほどではないと思う。


車に対して別に不満はない。

あるとしたら、運転疲れるってことだろうか。


法律とか交通表示とか、周りの車の様子とか。

色んな所に気を配りながら運転するのって、教習所とはまた別の大変さがあって、ごっそり体力を抜いていかれる。


まあ、楽しいし良いんだけどね。


昔からの車を始めとした乗り物に乗るのは好きなタイプだし、単純作業には慣れっこだから。


適当なラジオをかけて、俺は国道を進んでいく。


まーーーーっすぐな道なので、特に言うとはない。マジまっすぐ。







ってなわけで、今治に着きました。 


いや早ぇよって思う方いるかもしれません。ですが、運転にはまぁまぁの時間がかかりました。


外はもう暗くなっている。


けど、でっぱってる今治なだけあって、磯の香りとかがしていい感じだ。


ラジオは飽きたので、適当な音楽でも流しておいた。


吉幾三とか石川さゆりとか、そういう昭和歌謡を聞いて懐かしさに浸っている。


俺は世代ではないけど。多分、親がちょうどかちょっと後くらい。


さあここからは今治の先っぽに向かって、そこからお待ちかねの橋タイム。


俺も夜に海を渡るというのに若干の興奮を隠しきれない。なんとなく、夜の海って憧れるよね。


道の込み具合とかはそれほどでもない。

まだ田舎だし、多分橋の近くになればもっと増えてくると思う。


初心者マークだからといって、煽られることも、変に車間距離積められることもないし至って安心安全。


このまま行けるといいな。


俺はそう思いながら、アクセルを踏んだ。

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