第40話 車でも買うかと
さぁて、田舎に来てからしばらく経って、喫茶店開店に向け頑張ってきたのだが。
今までずっと、解決していない問題がある。
それはズバリ。移動大変問題。
コミュニティーバスが頼りな田舎で、そのコミュニティーバスすら来ないとなると、俺はどうやって移動すればいいのか。
田舎だから、無駄に町内でも距離があるし。
ってなことで、俺はついに28にして車を手に入れることにいたします。
これに向けて、しっかりと免許は取ったので、本当にあとは買うだけ。
「といっても、買うのって大変だよな。」
俺は家に入っていた中古車販売店のチラシを見ながらぼやく。
ミニカーと同じで、トイザ○スに行って千円でも出せば買えればいいんだが。
悲しいことに、車には選ぶフェーズ、契約フェーズ、勧められる保険を片っ端から断るフェーズ、納車フェーズ、最後に押される保険を断るフェーズと、5個もフェーズがある。
しかも、そのうち2回は保険を断るフェーズ。
大学の時、知り合いの車選びについてったことがあるが、それはそれは凄まじかった。
保険に保険をかけ、そこにさらに違う種類の保険をかけ、なんから水没保証なんてスマホでしか聞いたことないような保証までつける。
しめて、月額5万円!
こんなについて5万!
こりゃ安い!!
………そうはならんやろ。
保険なんて気休めだから、1個安くて手厚いやつに入っときゃいいんだよ。俺のばあちゃんが言ってたから間違いない。
「いやぁ、めんどいな。」
面倒くさいが、これでいつまでも買わないと、それこそ歩かなきゃで、もっとめんどい。
いつかいつかは今やれって誰かも言ってたし、行くしかないかな。
俺は重い腰をとうとう上げて、チラシの入っていた中古車販売店へと向かった。
◇ ◇ ◇
ってことで、来てみたのだが。
「いやぁーめっちゃ多いなー」
ひと目見ただけでわかる車の量。
ショッピングモールの駐車場を彷彿とさせるようなだだっ広い、土地に所狭しと車が止まっている。
しかも、この全てが売りに出されたものだと。
これなら、俺の求める車もあるかもしれない。
家からそこそこの距離歩いて荒くなった息を整えながら、一旦お店の店内に向かってみる。
だだっ広い土地の割に、建物はちんまりとしていて、近づくと、
「らっしゃいませー!!」
赤いハッピを着た、若いお兄さんがお店から出てきた。
すごいな、中古車屋さんでもお出迎えとかあるんだ。
レク○スとか高級店であるってのは、噂で聞いたことあったけど。
俺は驚きながら、中へ向かった。
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