紙飛行機

紙飛行機がある

誰が置いていったのか

綺麗に折られた

紙飛行機があった


真っ白な紙の

まっすぐな翼

触れてみると

少し押し返す弾力

真ん中へと指を滑らせる

深い溝が待ち構えている

ゆっくりと

その入り口を撫でようとして

やめた

爪を切り

爪を磨いた

鋭角に切り込まれたその溝のどこでも転がせるように

平らで一つも突起のないその壁を傷つけないように

爪を丸くしたのだ


紙飛行機の

最も大事な場所に

人差し指を

沈めていく

初めて触れられた白い白い軸は

少しずつ開かれていく

丸みを帯びながら

翼をそらせながら

露わになっていく溝が

ついには平らになって

紙飛行機は

一枚の紙に戻った


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