海の底

海に果てがあると知った時

彼は思いついたのです

深く深く潜っていけば

武器が沈んでいるかもしれないと


何年も何年もかけて

何回も何回も潜って

彼はいくつもの武器を

実際手に入れたのです


彼が初めて武器を使った日

一瞬血が凍った後沸騰して

首元でパチンと音がしました

戻れない道を歩き始めていくのです


彼は何回も武器を使って

仲間にも分け与えて

色々と取り戻していったのです

血の染みたものを血で染めて


体中がパチンパチンとなって

海に潜って何かを

重たいもの洗い流そうとして

流しきれずに戻ってくるのです


彼は海の底で見ていたのです

少年たちも沈んでいたのを

招き寄せられている気がして

怖いようで期待もしてしまうのです


けれども少年は大人になり

海には限界があると思い込み

底までたどり着けるはずがないと言います

世界は最初から パチンパチン

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