十四歳

少年が勝利する度に

私達は十四歳を思い出す

何かを目指して

何かを見捨てて

色々と知らなかった時代


少年の前に広がる平野に

私達はいるだろうか

同じところで微睡んで

追い抜かれていないだろうか

次に出会うのは

一周してきた時


背中を見ているよ

大人になったら

少しだけ振り返ってみて

微睡も時には必要だ

溺れてしまわない程度に


少年が敗北する日

私達は特に大人ぶるだろう

谷底で微睡んだまま

いい加減なことを言うだろう

許してほしい

天才以外は

平野に立つことすらできない

世界の広さを

知識でしか知らない


少年が振り返ったときに

笑っていられるように

幸せな微睡を

守っていたい

続く勝利と訪れる敗北の先に

何が見えたのか

いつか教えておくれ

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