第64話 兄妹喧嘩の後2
〜フレア視点〜
フレアはお兄ちゃんと話し合って仲直りしたのです!
この3日間はフレアもお兄ちゃんといつも通りに出来なくて胸が苦しかったのです。
今回、フレアは自信を無くしてたのです……。
お兄ちゃんに戦闘でいっぱい褒められて『お父さんの再来』だと聞いたフレアは強いと勘違いしてたのです……。
少なくとも、お兄ちゃんから『俺より強い』と聞いた時、お兄ちゃんを守って、今までの恩返しをしたいと思ったのです。
お兄ちゃんは物心がついた時からずっと家にいる時はお世話してくれてたのです。
それこそ、トイレ、お風呂、着替え、料理──
何でもやってくれたのです。
冒険者になってからは家にいない日はレーラさんや、他の知人さんにお世話してもらって、帰ってくると、近くに来て目の見えないフレアに色んなお話をしてくれる。
そんなお兄ちゃんなのです。
お兄ちゃんは本当にフレアにとって側にいるのが当たり前の存在なのです……けど──
そんなお兄ちゃんから魔人という存在と相対して危険になった時……真っ先に避難させられたのです。
足手まといにならないって言ったのにです……。
フレアはお兄ちゃんの力になれなかった事が悔しかったのです……。
結果的にナナちゃんのお母さんは治って、事件は終わりを迎えたのです。
その後、旅に出る前にお兄ちゃんから『訓練』の提案があったのです。
もちろん、強くなりたいフレアはお兄ちゃんの訓練の提案に直ぐに乗ったのです!
初めて出来た友達であるナナちゃんと──
もっと一緒にいれると思ったのです!
訓練は順調だったのです。
フレアはどんどん強くなっている感覚が日に日に強くなっていったのです。
ミレーユからは【魔法剣】の使い方も教えてもらったのです。
明らかに威力が増しているのがわかったのです。
そして、一度失った自信は復活したのです!
丁度その時に、ナナちゃんが『白銀の誓い』に入りたいとお兄ちゃんに言ったのです!
フレアも入って欲しいと思っているから援護したのです……。
けど、お兄ちゃんの態度はフレアの予想と反対だったのです……。
いつも甘えさせてくれるお兄ちゃんはそこにはいなかったのです……。
フレアが我が儘をいつも聞いてくれるお兄ちゃんの拒絶の言葉が凄く胸に突き刺さったのです……。
お兄ちゃんの事は大好きなのに……胸がモヤっとしたのです……。
話しかけようにもまた『拒絶』されるのが怖くなって、それからいつも通りの感じで話せなくなったのです……。
ミレーユから大丈夫と言われても、お兄ちゃんを見るとあの時を思い出して勇気が出なかったのです。
そして──
ナナちゃんとお兄ちゃんの模擬戦が始まったのです。
結果はナナちゃんの惨敗……フレアの微かな希望も潰えたのです。
お兄ちゃんが言っている事も理解してるつもりなのです……だけど、ナナちゃんとも一緒にいたくて感情の制御が出来なかったフレアはお兄ちゃんに不満をぶつけて──
戦う事にしたのです。
そして、全てをぶつけたのです。
お兄ちゃんは弱いと言いながらも、見た事の無い攻撃で翻弄してくるのです。
それに、フレアの攻撃は簡単に避けられ、追い込まれたのです。
最後のお兄ちゃんが見せた動きは明らかにフレアと同等だったのです。苦し紛れに差し出した剣がお兄ちゃんに刺さったけど、言い訳のないぐらいに完全にフレアの負けだったのです。
これが──『手数の違い』『経験の差』だと理解したのです……。
いくら単純な力や速さがあっても勝てない。
フレアの戻った自信は粉々にされたのです。
けれど、同時に簡単に人を守ると言ったフレアの言葉の軽さがよくわかったのです。
今のフレアではナナちゃんは愚か、お兄ちゃんさえ守れないって……。
戦闘後、お兄ちゃんと2人きりになった時──
お兄ちゃんは英雄である、お父さん以上になれると優しく以前のように言ってくれたのです。
強くなる方法も示唆してくれて、フレアはまだまだ強くなって──
お兄ちゃんを守れると思ったのです。
でも、お兄ちゃんがフレアの事を嫌いになんかなってないとわかったのが一番嬉しかったのです。
大好きなお兄ちゃん──
弱いといつも言ってるお兄ちゃん──
それでも、フレアや仲間の為に命を賭ける事が出来るお兄ちゃん──
フレアは必ずもっと強くなって守るのです!
じんわり、背中に当たるお兄ちゃんの温もりを感じながらフレアは決意したのです……。
しばらくしたら、近くで爆発音が聞こえて来たので、お兄ちゃんと一緒に見に行ったら──
ミレーユ達が何故か戦闘していたのです。
お兄ちゃんは珍しく大激怒? というか、酷くなった光景を見て、『これどうするんだよ!?』と言いながら頭を抱えていたのです。
フレアの【空間認知】で確認すると──
地面にたくさん穴が空いていて、酷かったのです。
お兄ちゃんは後始末をすると言って、フレアを含めた全員を先に帰らせたのです。
スコップらしき物を持ってたからきっと埋めたりしたと思うのです。
このパーティには【土魔法】の使い手はいないと帰り際にミレーユから聞いたのです。
リーダーというのは大変なんだなと思ったのです!
あんな酷い状態をなんとかするとか凄いのです!
『白銀の誓い』の皆はお兄ちゃんの事を慕っているのです。
皆が『格好良い』と口を揃えて言ってくれるのでフレアは鼻が高いのです。
はぁ……お兄ちゃんの顔見たいなぁ……。
────────────
フレア編でした。
これにて幕間は終わりになります。
今章では環境、境遇でヘタレたエルの根性に火がつき、これから再度歩みだそうとする──
そして、フレアとの絆を再認識する。そんな章になります。
それらを少しでも感じ取って貰えたらなら幸いです。
そして、少しでも『面白い』『続きが気になる』『応援してやってもいいぞ』と思われたら★評価、フォロー、レビュー、感想(作品を汚す行為で無ければ)など頂けると嬉しいです。
次章では予定通り、ギャンブル都市『キンブリー』に行く事になります。少しだけ出発前の話を挟みます。
ギャンブル都市の内容は少し濃くなる所があるかもしれませんがお付き合い頂けると幸いです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます