第2話 化身里夢(かしんさとむ)
「爪…?」
「それは特段霊体、化身里夢の一部…、霊部だ。とても大事なものだから持ってろ!」
「え…あ、はい!」
そう叫ぶ男は次の瞬間謎の言葉を発した。
「『夢間放浪召術(むかんほうろうしょうじゅつ)』…、『何時夢想(なんどきむそう)』…!」
「ぐぁぁぁあがぁぎいいいぃ」
そうやって耳の奥深くまで響く汚い低音で叫ぶ二段霊体…。
「フッ…」
そう音がしたかとおもうといつの間にか霊体は消えていた。
「俺の術で夢と夢の間に閉じ込められたんだ。まぁそんなことはどうでもいい。化身里夢の爪は?」
「あぁ…。ここにあるけど…。はい、どうぞ」
渡そうとした次の瞬間別の霊体が襲ってきた。
「夢間放浪召術…っ。」
男は床に強く叩きつけられ、頭から出血…。
「ちょっとぉぉぉ。何負けてんのよ…。」
「夢…間放浪…召術……。」
そこで男は意識を失った。
「くそっ。なんでこんな化け物ばかり出てくんのさ…。」
そうブツブツ文句言いながら、凜祢は素のパワーを解禁した!
霊媒戦記 矢目詩与 @sona0918
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