第2話
ここで少し俺の話しをしておこうと思う。俺はある使命を持っている。
この使命のせいで、辛い思いをたくさんしてきた。
なんで俺なのか??
何度も何度も頭の中で繰り返してきた疑問。そんな俺を救ってくれた人がいた、それがマリアだ。
彼女との出会いが俺を変えた。
マリアと出会ってからは、毎日が楽しくて初めて生きてて良かったと思えた。使命も悪くないなと前向きになれたんだ。こんな日々がずっと続けばいい。マリアがいてくれたら、使命も受け入れられたし、何より希望が持てた。しかし、そんな俺を嘲笑うかのように、運命は俺からマリアを奪った。
忘れもしないあの日。
この世界で最強であり、俺しか使えない魔法。神紅を発動した日マリアは消えた。神紅で世界を変え、未来を手にするはずだったのに、俺から1番大切な人を奪っていった。
それまで魔法を憎んだ事はなかった。今でも魔法が憎いのかはわからない。けど、あの日から魔法は使っていない。それと共に誰とも関わりたくなくて、人から遠ざかる生活になった。
そして今俺の目の前には、最初にマリアと出会った時と同じように、使者に連れて来られた女の子、朱凛がいる。
今度はどんな結末になるのだろうか。そんな事を考えていると、朱凛が、
「ねぇねぇシンク!私授業中突然連れて来られて、その時の服はなぜかこの世界に来たら消えてローブ着てたの!だから、服はこのローブしかないの!そんなの嫌だから、この世界の可愛い服私にプレゼントしてよ!!」
俺はそれを聞いて不覚にも吹き出してしまった。マリアとは大違いだな!のんびり屋と言うか、楽天的というか、こんな時に可愛い服が欲しいって!?
朱凛って本当面白いやつ!!
よし!ずっと行ってなかったけど、朱凛の服ゲットする為、街に繰り出すか!今俺がいる国はルノアール。魔法が盛んな国だ。そして、これから行こうとしてるのはルノアールの中心の街スピアだ。あそこには俺が贔屓にしてる情報屋もいるからな。これから使命の為また行動するには情報屋に会う必要がある。なんせずっと引きこもってたから、今の情報が全くわからない。俺は朱凛を見て言った。
「朱凛!街に行くぞ!可愛い服買ってやるからな!」
すると朱凛は「さすがシンク!ついでに美味しい食べ物もね!!」
と笑顔で言った。街には美味しい物がたくさんある。久々に華やいだ気持ちになった。マリア、俺楽しんでもいいのかな?お前がいないのに。そう思ったら少し暗い気持ちになったけど、
「ほら!シンク行くよ!善は急げって言うじゃない!しゅっぱーーつ!!」と俺の暗い気持ちは一気に朱凛がかき消した。そうだよな!今は朱凛と行動だ!そして俺たちは街に向けて出発したのだった。
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