第7話

やがて。

家族団欒の一時とも言える夕飯を食べ終えた

俺は。俺の部屋で妹に勉強を教え、やがて

風呂に入る時間が来る...。


「ここはさ、この二倍角の公式を使って解けば

よくて...」


「うーん、難しいなぁ...」


アイリは困り顔。


「えっと、じゃあ、こうしてこーしてだな...」


「なんとか分かった...!」


「良かった!」


やがて。


部屋のドアが父親によってノックされ。


「おーい、風呂あいたぞ」


って声が聞こえた。


「あ、うん。今行く...!!」


俺は数学のテキストをパタンと閉じた。


それから。


俺がドアの向こうにいる父さんにこう返答すると。


アイリが上目遣いで嬉々として言うことには。


「ね、ね、お兄ちゃん...!これからお風呂でしょ!?じゃさ、もう、眼鏡外して私にお兄ちゃんの顔、見せて?」


「今、うちらの距離、めっちゃ近いじゃん...!」


「顔、滅茶苦茶見たい...!」


俺の左太腿に。


アイリの綺麗な右手がのるかのらまいか、

というところ。


そんでもって。


この距離とこのふたりの位置関係から。


肩出しトップスでやや胸の開いた服装で。

アイリの谷間が見えそうで見えない。


ドキドキしつつ。


俺は妹アイリに逆らえない。


そんな可愛い顔で。


めっちゃ近くでそう、懇願されたらな。


男なら誰でも、嫌だななんて言えない。


「ああ...。分かった」



陰キャな俺だが。



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