第3話

アイリは興奮して息巻いていたが、

やがて、別れ場所の階段の踊り場に着いたので



「じゃあな、アイリ」


と手を振った。


「うん!また放課後ね...!」


放課後。


俺はアイリと一緒に帰ってる。


帰宅部陰キャの俺。


アイリはブラコンの気がやや強過ぎて、

兄である俺とよく一緒にいる事が多いんだが。


それをユーコのやつに言わせると。


「気持ち悪っっ!兄妹、仲良過ぎでしょ!」


「お兄ちゃん、お兄ちゃんってベタベタし過ぎっっ!」


ま、でも。


アイリのやつは別に俺に対して、

手を繋ぐこととか

要求してこないし。


腕を組んで歩くとかもしてこないし。


ユーコにアイリと一緒にいて、

俺が妹と仲良さげに喋っていると。


つかつかつかと、遠くにいても

歩み寄って来て。


ちょっかい出してくる。


まぁ、ユーコ的には。


あいつ、将来の夢を叶えるために国立大の医学部医学科に行きたいとかで。


俺に面倒な宿題とかやらせて。


一応、自分のやりたい受験勉強を図書館とかで黙々とやってるから。


そのストレスで、


俺らが仲良く帰ってたり、

楽しげに会話してると

頭にきて。



ストレス発散目的で、揶揄してきてるみたいだった。


「幼馴染だかなんだか、知んないけど、うるさいっ、ほっといてよ!」


とアイリが言い返すと。


「えー、こっちは、ストレスが溜まってんの!

大声出したいの!誰かをからかってると、

楽しくてさぁ...!」


と嬉々として言ったことがあったから、

もう、完全に俺らに絡んでくるのは、

ストレス発散目的だった。


多分な。


やきもちとか一切ねーよ。







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