第4話
かったるい授業を何時間か終えれば。
放課後がやって来て。
俺は妹と帰路につく。
そんな毎日だった。
先に話した、たまにユーコのからかいで。
アイリがイライラして、言い返したりでない限り、俺もアイリもこの時間が結構楽しかった。
たわいもない会話。
ユーコさえ絡まなければ、基本、平和。
「校長講話、毎度のことながら、話し、長過ぎだよね?」
「そうだな。立って聞いてるの、ほんとに
疲れる...」
「私もー!」
とはいえ。
たまに街で。
アイリと歩いているとこんなヒソヒソ声を耳にするけど。
「おいおい、あれ見ろ...!
美少女と陰キャ眼鏡が一緒に歩いてんぞ...!」
「か、カレカノかな?」
「まさか、んなわけねぇだろ。
きっと友達だって...!」
「そ、そーだよな...」
好奇の目に晒され。
ほんと、極たまにだが。
不良に絡まれることもある。
「おい、陰キャ眼鏡!その友達の女、
置いて、どっか行けよ...!」
「いや、それは無理だよ...」
俺の発言を無視して、この前、現れたひとりの金髪のヤンキーは
「な、な、俺らと遊ぼうぜ!」
アイリの肩に手を伸ばそうとして、返り討ちに遭ってた。
実はアイリは怒ると目が滅茶苦茶怖くて。
まるで、ヤーさんみたいな目つきになるのだが。
更にアイリは。
てか、俺も空手をやっているのだが。
二人して一応黒帯で。
だがしかし。
悔しいが。
アイリの方が俺より段が上で。
中学のとき、全国大会での優勝経験がある。
見事なかかと落としで、
金髪のヤンキーを地に伏してた。
「ほんとはー、空手を喧嘩には使っちゃいけないんだけどー。今回は正当防衛ってことでw」
などと涼しい口調で言ってのけ。
俺の右手首を取って、
「さ、映画館はやく行こう。
こんなことで時間ロスっちゃったから、
開演までに間に合うか分かんない。
走るよ...!
お兄ちゃん!」
「お、おう...!」
妹は美少女でしかも俺よか強い。
可愛くって最強。
本来なら俺が兄として妹を守んなきゃ、なんだけどな。
妹は自分自身を守れる力を持っていたんだ。
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