第14話 Short Story 『Let Me See あのね』2021.8.8

#恋の予感から、呆然自失へと3



そしてっ、 ずずずすーーーずいっと 事務所のそのまた奥のほうに生息しているめがねのひょろっとした風貌の25歳青年にも・・・・ この人には私が治療していた歯医者さんにまでつきまとわれたことあった。


こんな風だったものだから・・・この春入社してきた藤原くんに対しても、、普段からあまり意識せずに冗談を言い合って毎日会話していたこともあって、なんとなぁ~く・・だけと゛、きっと無意識のうちに少なからず自分に対して藤原くんも気があるのだと思い込んでいたのかもしれない。 


そんな無意識の感情とはまた別のところで、すごくときめきいて・・っていうのはなかったけれど、藤原君のことは結構気に入ってる自分がいた・・と思う。



・・・・・・・・・・・・・


そして 課での恒例の夏の課内旅行でのこと


川釣り・・ができる場所ってことで、ここ日本海側の山に囲まれた地にやってきていた。


新入社員の藤原君に誘われて、私と後輩の黒木さんとの3人でドライブに

出かけた先で・・・。


かなり遠出していたわたしたちに、ちょっとしたハプニングが待ち受けていた。



気持ちの良い少しひんやりとした夏風を受けながら山道をクネクネと走行していた

車が突然狭めの道に、上から落ちてきたものなののか? かなり大き目の転がっていた

岩の破片が妙な具合にタイヤの進路を塞いでしまったのだ。


間の悪いことに、辺りはもうそこまで夕闇が迫ろうとしていた。

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