第9話 Short Story 『Let Me See あのね』2021.6.17
# FUTURE 未来 4 #
そしてまた、その相手からも逃げるように去ることになったわたしに
一体どんな未来があったのだろう?はなから結果は出ていたのかもしれない。
息子と産まれてくる子を持つわたしは、それでも沸々とした気持ちを抱えながら
新しい家で自分の気持ちに気づかないふりをして、生きてゆくつもりだった。
何が引き金になったのだろう?
よく分からない・・・けれど、じわじわと真綿で首をしめられるように
・・・気がつけばそこまでその陰が忍び寄っていた・・・。
こんなふうな状況だったので、家を出たのもかなり突発的なものだったと思う。
ほとんど何も持たず、少しの衣類と現金を持って家を出たわたしに待っていたのは
厳しい現実。
ようやく落ち着ける先、見つけたのは調理師の免許を生かして働ける仕事。
東京に出て、住み込みで働けるレストランに落ち着いた。
ここまで来るまでがすごく大変だった。
手に何度も小さくではあるけれどヤケドを負うのは当たり前のそれは厳しい厨房で
寒い冬でも夏を思わせるほど常時熱気のある厨房で、わたしは毎日、々、
生きるために働いた。
ようやく、少しゆとりもできて携帯電話も持てるようになった。
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