第189話 属性ポイント?
「――はぁはぁはぁ、また【10】だったか……」
「この辺の階層は元々別のモンスターが蔓延ってたんだけどね……。もうずっとシードンシードンシードン……。筋肉馬鹿はもう見飽きたわ」
集落の1つ下の階層でシードンと出会ってからしばらく下ってきたが、他のモンスターの姿を見ていない。
グランドタートルの死体を喰っていた事からもシードンはフロアのモンスター達をひたすらに喰って、食料が足らなくなりどんどん上の階層まで餌を探しに来ているのかもしれない。
「トゲくん、まだ食べれる?」
「が、あ」
メアはシードンの死体をトゲくんに与えるが、流石にずっと食べ続けていたからかお腹がぷっくりと膨れている。
それにしてもちょっと苦しそうだな。
「次のフロアはボスになるだろ?俺も体力回復したいし、ちょっと休んでくか。不幸か幸いかちょうどモンスターもいないし」
「……仕方ないわね」
メアはシードンの肉をあぐあぐと咀嚼している様子を見て仕方ないという様に近くにあった平らな岩に腰かけた。
近くには下の階層へ続く階段もあるがやっぱり休むならこういう開けた場所の方がいいよな。
「――実は私もレベルアップでスキルポイント貯まってたから振り分けたかったのよね」
「メロウもスキルポイントの振り分けとか出来るんだな」
「私達亜人はモンスターと人間の特徴を持ってる。だからスキルポイントもジョブポイントも振り分ける必要があるのよね。ただモンスターの特徴を持ってるからレベルは上がりやすいんだけど、上がり幅は大きくないのよ」
そう言うとメアはステータス画面を表示させて、その操作を始めた。
メアからは強者の雰囲気を感じないが、もしかしたら俺よりもレベルは高いのかもしれない。
「なるほどな。だから戦闘に参加する数が少ない割りにレベルアップ出来たのか」
メアはずっとシードンの背中に乗って指示するばかりで自分から攻撃しているのは殆ど見なかった。
「何か言い方に刺があるわね……。えっとね、何にもしてない様に見えてたかもしれないけど、私は背に乗ってるだけでバフをトゲくんに掛けられるの。これが案外疲れるのよ。ま、それが私とトゲくんに掛けられたスキル効果なの。因みに私にはトゲくんが入手した半分の経験値が入るからレベルも上がりやすいの」
ゲームでいうところのテイマーとそのモンスターの関係をスキルによって築けるって事か。
きっとメチルダさんを含むシーサーペントを管理する人達がそういうスキルを持っていて、いろんな人にスキルを付与しているのだろう。
スキルの効果は永続みたいだし、かなり有能なスキルだな。
「えーとっとじゃあスキルはこれで、ジョブポイントはこれでっと……。【属性ポイント】はやっぱり【水】全部振りかな」
「――【属性ポイント】? そんなの耳にした事ないんだけど」
「あー。まだレベルが達してないのね。【属性ポイント】っていうのは――」
俺が聞いた事のない要素の説明をメアから教えて貰おうとした時、階段の入り口から【7】の数字が刻まれたシードンが姿を現したのだった。
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