第41話 情処部ルート 完

今日はちょうど晴れてるし友達が少ない私は出席番号のなるべく離れたお友達が欲しいのですこし張り切ってます。授業も終わっていつもより長い先生の話を聞き流しながら何か意味ありげに視線よこしてくる人も無視して真っすぐあなたの席まで行くとまだノートが鞄に入ってなかったので笑えてきました。掃除当番が今日はなくて良かった。「ちょっと待っててね」私より先に結月たちは廊下に出ていて何か隣のクラスの同じ部活の人と話し込んでいるので私たちが一緒に帰っていても気づかれないでしょう。机をさげるとき前の人がいたら少し怖い。下げるの遅いんです。私は誰かと帰るのが1か月ぶりくらいだったので嬉しく思いました。何を話そうか決めてなくていきあたりばったりだけど私が誘った手前何か話していなくては。「私部長が苦手」「えーカワイソー」冷ややかな笑い方を美人がすると怖いですね。言葉選びには気を付けよう。「部長きもい。ちんちくりんだし」私は近寄りがたいし結月のグループの人かと思ったら気まぐれだったので何言うんだろうという感じだったのだと思う。怖くないよ変態だよ。ちょっと尖ったアイドルが好きなドルオタだよ。私に彼氏がいることとか巨乳の友達の方が好かれてることを話すとはじめて感情をこめて「胸なんかただの脂肪のかたまりだよ」と言ってくれた。可愛い子にそんなこと言わす気なかったのにありがとう。ひとの家の前で言うの恥ずかしくなかったのかい。私ははずいよ。通学路じゃないからいいけど。可愛い子のすることならだいたい許せる。私が定期的に受けてるテストの話とかあと「好きな人いた?」「うん」まじか。どんな男だソイツ。(社交辞令でいることにした可能性あり)告白とかはなかったとか中学生らしいな。ケーキ屋の前より向こうなので流石にちょっと焦った。まだ帰れる。もう時間切れみたいになってきて私が言ったのは「可愛いかわいいカワイイ」だった。ただひたすら可愛いと言い続けるだけ。「えーそんなことないよ」とちょっと困ったように言われても推してるも同然なのでうんでいいのにと思った。バスに乗って帰る彼女を見送ったあと帰り道がわかりにくくて少し迷った。後日階段でなんのケーキが好きかと訊かれてスポンジじゃないやつと答えたら「ケーキ好きって言えるそれ?」みたいなこと言われちゃいました。スポンジケーキとタルトだからね。パティスリーではパンも売ってるんだからあはは。ふわふわしててもの食べた気にならないんだよ。

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