第5話 えっ入試の勉強?してません
勉強はきちんとすると馬鹿をみるはめになるものだ。佳乃はシャーペンを片付けながら思う。絵を描いている方がいい馬鹿らしい。これ以上賢くならなくても計画は進む。そう、誰にも惚れなければ。惚れても隠し通せれば。ガチ恋はドルオタの佳乃には慣れっこだった。しかも推しているのが女の子のアイドルなので禁断の恋なのだ。握手もいかずに二年間がたった。百合√には入らないぞ。私何人も卒業を見守ってきたし他人の恋愛の邪魔だから当て馬になりたい。彼氏いる子が男除け目的で結構きてるし隣のあほ高の男と付き合ってるのも多そうだし。私のつけいる隙なんてないだろう。女の子が好きで物好きな変態オタク女子の他には。たとえば私みたいな。彼氏とはできれば喧嘩を繰り返しながら穏便に別れたい。女子が好きだなんてことになったら私も想われた人も評判に傷がつくだろう。かなり性格いい子以外好きになる予定ないし。頭よけらば誰でもいいんだけど、男はちょっと苦手。頭が変態してるのがバレバレな奴ばっかだから。まったり女子高っぽい青春をするんだー。実際は早く新しい図書室に行きたくて心ここにあらずな状態なんだけどね。三度の飯より本が好き。新刊の匂いもすき。本はやはり手にとれる形状のものでなければ。大昔から文豪が手にしたのはそのような本だったのだから。私もそれを受け継ぐような心構えでないといけない。場所は取るし紙魚もわくけど。目で見えるのはいい。所有していることを実感できるからだ。私は色欲は全くないが物欲は結構あるからお金がやばい。所有欲はあるっぽいから友達という肩書というかポジションが欲しいだけである。そこから何かに発展することはおそらく金輪際ない。きゅんとしたのは数回だけだ。馬鹿な子ほど可愛いらしいから困る。頼むから私をキュンとさせないでくれ。あほはあほっぽく彼氏といちゃついとけ。以上。「なーなーよしのちゃん」何。久しぶりに喋ったな。卒業旅行ならいつもどおり私は参加しないぞ。巨乳の友達がもたれかかってきた見えないのはいいんだが当たってますよお嬢さん。あほでよかったですね。何とも思わない。もう慣れた。「しばらく学校に馴染むから遊ばないよアニメイトもいかない」「えー」そんな仲良くないだろ私たち。百合フラグは立てないで。私の祈りは届いた。彼氏君がきた。こいつは私の動画を隠し撮りしていた危ないやつだから巨乳ちゃんと別れればいいと思うよ。はよまともな友達欲しい。佳乃は遠い目になって言った。
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