■ストーリー概要

　世界各国で、日々、幻影帝国と戦うプリキュアたち。ひょんなことから”キュアラブリー”となった”愛乃めぐみ”は、全戦全敗のプリキュア”キュアプリンセス”と、ハピネスチャージプリキュアを結成し、幻影帝国との戦いに挑む。

■作品紹介

　冒頭で歴代プリキュアによるコメントが入るなど、プリキュアシリーズ10周年記念作品として鳴り物色で登場した作品ですが、残念ながら評判は今一つといった作品になっています。

　主人公グループ以外にも世界で戦っているプリキュアの存在、ダンスや歌を取り入れた戦闘シーン、フォームチェンジ、語尾なしで普通に喋る妖精など、新しいものを作ろうとする意欲がこれでもかと溢れていますが、消化不良気味にもなっています。しかしながら、本作が蒔いた種が後の作品で花開いている要素も多分にあります。

◇フォームチェンジ　

⇒魔法つかいプリキュア!の重要な要素となる。

◇作品中で料理のレシピを紹介

⇒キラキラ☆プリキュアアラモードではスイーツづくりが主要なテーマとなる。

◇戦闘中に唄う

⇒キラキラ☆プリキュアアラモードのキャラソン、スター☆トゥインクルプリキュアでの変身シーンなど

　また、人の嫉妬心や挫折などに真正面から向き合ったシナリオも特徴です。それゆえ、序盤では主要なキャラクターに感情移入しにくく、見続けるモチベーションを保つのが難しいのですが、キャラクターを把握できるようになると一気に面白くなり、それぞれが自身のコンプレックスを乗り越えて成長する終盤の展開は、プリキュアシリーズでここまで深い話ができるのかと驚くでしょう。

　本作は良くも悪くも、10周年記念に相応しい新しいプリキュアを作ろうとした意欲作であり、マンネリ感を廃した斬新な作品であるとともに、とっつきにくい作品でもある、プリキュアシリーズ屈指の異色作です。