前のエピソード――第9話　どれからみるか？

■ストーリー概要

　しっかり者の生徒会長”相田マナ”が社会科見学で訪れたクローバータワーの展望台に、トランプ王国を滅ぼした怪物ジコチューが現れる。マナは土産物屋のお兄さんからもらった不思議なアクセサリーの力でキュアハートに変身し、ジコチューを撃退する。マナは友達といっしょに”ドキドキ！プリキュア”となって、トランプ王国復活のために戦う。

■作品紹介

　スタッフを一新してスタートした本作は、大河ドラマ的な壮大なストーリーが特徴です。トランプ王国の生き残りもプリキュアのメンバーに加わり、行方不明の王女探しや、キングジコチューの娘レジーナとの運命的な戦いを繰り広げます。

　過去作では主人公は強い心を持ってはいるが、ちょっとドジな少女という設定が主でしたが、本作でのマナは文武両道の生徒会長で、周りの人間がドン引きするぐらいの善意の塊という、ヒーローになるべくしてなった人物像となっています。リーダーとしての力量と個の強さを備えた彼女のラストバトルは、プリキュア最強といってもよいでしょう。

　しかしながら、本作から、”ハピネスチャージプリキュア!”、”Go!プリンセスプリキュア”までがプリキュアの低迷期といわれる理由の一つが、ストーリーの複雑さが原因なのではないかと思います。

　一話だけ見て楽しむ作品ではなく、全部通して観ることでその面白さが伝わる構成となっており、ターゲットとなる視聴者の年齢が従来よりも高くなってしまっているように感じます。

　逆に凝った作品が好きな方にとっては、全ての謎が明らかになる怒涛のクライマックスはとても見ごたえのある一作となっています。