『お見合い』
やましん(テンパー)
『お見合い』
『このお話しは、まったくの、フィクションであり、ホラである。実際は現状を、さらに深刻視して、対処すべきであり、これは、息抜きにすぎません。』
💉
新型コロナウィルスから変化した、超コロナウィルスは、感染すると、致死率90%以上と言われ、もはや、当たり前の生活はあり得なくなった。
ワクチンや、治療薬と、ウィルスは、し烈な攻防をくり返していたのであるが、人類側は、いまや、ギリギリまで、攻め込まれていたのである。
超天才、シモンズ・フォン・デラベラリの、『完ぺき治療薬』が登場するまでは、もう少し、間があった。
で、国民は、屋外、屋内にかかわらず、政府が認めた『特殊防護建築物』内以外では、新型防護服の着用が義務とされた。
国に認可された『特殊防護建築物』は、まだ、ごくわずかしかない。
国会とか、一部の、中央官庁とか、都庁とか県庁とかの特定の部屋、とか、である。
しかも、貧乏中央官庁には、まだ、手がついていないところもかなり、あった。
改修や、建築には、大金がかかるのである。
しかし、1等級下の『準特殊防護建築物』なら、民間企業も、まだ、導入しやすい。
ただし、防護服は、簡易型でもよいが、着用は必至である。
一般的に、防護服は、一体型で、顔全体を覆い、さらに体全体を覆うのである。
一般的タイプは、分厚く、重い。
簡易型は、まだ、着やすいのである。
原発の廃炉現場用に似ているが、ウィルスに特化した仕様である。
なので、相手が誰なのか、見た目ではわからないのだ。
それでも、国民は、生きねばならない。
配偶者を得る必要もある。
そこで、お見合いや、デート用に特別設計された施設が、急速に展開した。
利用者は、まず、クリーン・ルームに入り、あらゆる、細菌、ウィルス類を排除するのだ。
それから、着てきたものは、厳重に収納ボックスに入れる。
さらに、部屋を移動し、室内用の防護服に着替えるのである。
気圧の調整も、慎重に、行われている。
はずである。
お見合いルームは、透明な個室カプセルになっており、となりの部屋から侵入する。本人や家族は、ひとりひとりが、カプセルに入る。
まだ、マスクは外さない。
ひとしきり、世間話しなどしたあと、時間が来ると、案内が入る。
『さあ、マスクを、開けますか、開けませんか? いかが!』
お見合い用の、防護マスクは、棺おけみたいに、お顔の部分が開くのだ。
『やめときます。』
と、なれば、それで、おしまいである。
もし、開けることになれば、ふたりだけ残して、家族はいなくなる。
これ、昔からの、お見合いの、ルールです。
やましんさんは、22回、試みて、ぜんぶ、だめであった。
成功したのは、なんと、23回目だったのである。
果たして人類の未来や、いかに。
現実に続きます。
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『お見合い』 やましん(テンパー) @yamashin-2
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