第11話 痴女義妹

 直斗が何か打開策がないかと思案していると、向き合う形で浴槽に使っていた雪穂がすっと直斗の元へ近づいてくる。

 頬が上気して、白い肌が赤く染まっており、その扇情的な姿に、直斗は思わず見惚みとれてしまう。


「兄さん……どうかな? 変じゃない?」


 直斗の視線を知ってか知らぬか、両腕を下ろしてその一糸いっしまとわぬ身体にたいして感想を求めてくる雪穂。


「うん……凄い綺麗だと思う」


 って、何口走ってるんだ⁉


「そっか……ありがとう」


 視線をそらして恥じらいつつも、感謝の言葉を述べる雪穂。

 ヤバい、ヤバいぞ……。

 あられもない姿で三人一緒に風呂へ入ってる状況すらアウトなのに、室内に充満する女の子特有の甘い香りも相まって、直斗の頭はさらにクラクラしてきてしまう。


「お待たせ雪穂―! 身体洗ってきな」

「ん、ありがとう秋穗」


 悶々としているうちに姉妹たちが交代。

 雪穂が湯船から上がり、今度は秋穗が湯船に入ってくる。


「はぁー温まるー」


 雪穂とは違って、スタイル抜群のプロポーションを大胆に見せつける秋穗。

 湯船にたぷんとその豊かな胸元が浮かぶ。

 全てを曝け出している魅惑的な光景に、直斗はさらにごくりと生唾なまつばみ込んでしまう。

 すると、直斗の視線に気が付いた秋穗は、にやりと白い歯を見せて邪悪な笑みを浮かべると、両手で自身の胸をぐっと持ち上げ、中央へ寄せて深い谷間を作って見せつけてくる。


「どうどう直斗兄? 私のおっぱいエッチでしょ?」

「ど、ドストレートに聞いてくるな……」

「ほらほら」


 さらにぷるぷると自身の胸を手で揺らす秋穗。

 揺らした反動で、水面みなもがちゃぷちゃぷと音を立てて波打つ。

 もちろん、直斗の視線は秋穗のおっぱいへ釘付けになってしまう。


「ふふっ……もう、そんな熱い視線送っちゃって……直斗兄はエッチなんだから」

「うっ……うるせぇ……仕方ねぇだろ。俺だって男なんだから」

「そうだよね。直斗兄も立派な男の子だもんね。ならさ、私のおっぱい触ってみる?」

「は、はぁ⁉」

「だってさっきからずっと触りたそうな熱い視線送ってきてるし」

「ば、馬鹿野郎。妹にそんなことするわけないだろ?」

「はいはい、そういうのいいから。多分だけど、楓さんのよりもかなり大きくて張りもあるから、触り心地は最高だと思うよ?」


 そりゃ、楓のとは比べ物にならないくらい大きくて、触り心地は最高だろうけど………!


「このことは私達だけの内緒にしておいてあげるからさ……ほら!」


 そう言って、直斗の手を掴んで無理矢理自身の胸へと導こうとする秋穗。

 直斗は危険を察知して、浴槽の中で必死に力を入れてジタバタする。


「本当に大丈夫だから! やめてくれ秋穗」


 しかし、流石は運動神経抜群の秋穗。

 直斗が暴れても、手をがしっと掴んだまま離さない。


「なんでそんなに抵抗するの⁉ 私が触って欲しいって言ってるんだから別にいいじゃん! 減るものじゃないんだし」

「そうじゃなくて、妹の胸を兄が触るのはどう考えてもおかしいだろ!」

「だから、さっき雪穂も言ってたでしょ。常識にとらわれちゃダメだって」

「そこは常識持って、お願いだから」


 浴槽の中で二人して攻防を繰り広げていると、身体を洗い終えた雪穂が湯船の前に仁王立ちで立ち尽くす。


「ねぇ……私も入りたいんだけど」

「あっ、ごめんね雪穂。はい、どうぞ!」


 今だっ!

 秋穗の掴む手の力が一瞬緩んだのを見逃さなかった。

 直斗はぱっと腕を引くと、一気に立ち上がる。

 がっ――

 立ち上がった瞬間、己の状態に今さらながらに気が付いてしまう。

 直斗の息子が妹達の顔の前にコンニチハ。

 しかも、通常verではなく進化ver。

 準備万端、いつでも発射OKな状態になっているではないか。

 そのリトル直斗を目の前にした二人は、驚きと羞恥で頬を染めつつも、とろけるような目で見つめてくる。


「ふぅーん。直斗兄、妹の身体で興奮してたんだぁー」

「兄さんの凄い。逞しいです!」


 二人はまさにメスの顔で獣を今にも狙おうかという勢いで見入っている。


 いやぁぁぁぁぁ!!!!!!!

 直斗は手で下腹部を隠しながら、逃げるようにして風呂から出て行った。

 妹に見られてしまった……しかも、戦闘状態のモノを……っ!

 それから、直斗は部屋に鍵をかけて、痴女義妹達ちじょぎまいたちが入ってこないよう一人怯ひとりおびえながら夜を過ごす羽目になったのであった。

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